AIで書いたブログ記事を公開する前に、確認すべきことが5つあります。出典のない数字・景品表示法に触れる表現・他社を不当に貶める書き方・断定しすぎの言い回し・AIらしい定型句です。どれも1つ見落とすだけで、読者の信頼を失うか、法的なリスクを抱えることになります。この記事では、5つのポイントを1つずつ整理します。
確認すべきことは、5つある
AIで記事を書くとき、問題が起きやすいのはいつも同じ5か所です。どれも「AIが自然に出力してしまう表現」に集中しています。
| # | 確認ポイント | 具体例 | 関係する法律・ルール |
|---|---|---|---|
| 1 | 出典のない数字 | 「2025年の調査では78%が〜」 | 読者の信頼・E-E-A-T |
| 2 | 景品表示法に触れる表現 | 「業界No.1」「日本最安値」 | 景品表示法第5条 |
| 3 | 他社・他者を不当に貶める表現 | 「A社は対応が悪い」 | 不正競争防止法・名誉毀損 |
| 4 | 断定しすぎの言い回し | 「必ず効果が出ます」「100%安心」 | 景品表示法・薬機法 |
| 5 | AIらしい定型句 | 「正直に言うと」「〜と言えるでしょう」 | 読者体験・Google評価 |
それぞれ、なぜ問題になるのかと、どう確認すればいいかを順番に説明します。
出典のない数字は、あとで確認できない
AIは数字を作ります。「2025年の調査では、国内ブロガーの78%がAIを活用しています」という文を生成したとき、その調査が実在するとは限りません。もしかすると、似たような調査はどこかにあるかもしれませんが、78%という数字はAIが出力した時点で根拠のないものかもしれないのです。
これをハルシネーション(幻覚)と呼びます。AIが事実のように聞こえる情報を生成してしまう現象で、特に数字・固有名詞・年号・「〜と言われています」という引用形式のときに起きやすいという特徴があります。
問題は、ハルシネーションは一見して区別がつかないことです。「2025年の調査では〜」という文は、本物の調査の数字と見た目が同じです。書いた本人も、あとで読み返しても、出典を確認しなければ分かりません。
実際に起きた例
「日本のブロガーは年間平均〇〇件の記事を更新しています」という文を生成したAIの記事を、出典なしで公開したブロガーが、読者から「この数字の出典はどこですか」と指摘されたケースはよく見られます。出典を探したところ、その数字は存在しなかった、あるいは出所が特定できなかった、というパターンです。
出典が示せない数字を公開し続けると、記事の信頼性だけでなく、サイト全体のE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)に悪影響を与えます。Googleが検索順位を評価するうえで、信頼性はサイト全体の評判に影響します。
確認の方法
記事に数字が出てきたら、その数字を自分でGoogle検索して、出典となる一次資料(省庁・公的機関・学術機関・信頼性の高い調査機関のページ)を探してください。一次資料が見つかれば、記事に「(出典:〇〇省/協会 「〇〇調査」)」と書き添えます。見つからない場合は、その数字を削除するか、「〜とも言われています(出典は未確認)」と注記するのが誠実です。
確認に時間がかかるのは事実ですが、1記事に出てくる数字は多くて5〜10個です。それだけ確認するだけで、記事の信頼性は大きく変わります。
景品表示法に触れる表現は、AI記事に特に多い
AIが自然に出力する表現の中に、景品表示法に触れるものがあります。「業界No.1」「日本最安値」「最高品質」「業界最速」といった表現がその代表です。
景品表示法第5条(不当な表示の禁止)は、根拠のない優良誤認表示を禁じています。たとえば「業界No.1」という表現は、それを裏付ける調査結果・比較データがなければ、法的に問題のある表示に当たる可能性があります(消費者庁「景品表示法」より。詳細はhttps://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/ を参照)。
特にECサイト・サービス紹介のアフィリエイト記事は要注意です。商品の紹介文の中でAIが「業界トップクラス」「日本一使いやすい」などの表現を自然に生成することが多く、そのまま公開すると景品表示法上の問題になる可能性があります。
「最高」「No.1」以外にも注意が必要な表現
最上級・優良誤認に当たりうる表現は、「No.1」「日本一」「最安値」「最高」だけではありません。以下のような表現も、根拠なしに使うと問題になりえます。
- 「市場最速」「業界最軽量」(裏付けとなる比較データが必要)
- 「唯一の〜」「他にはない〜」(他に存在しないことの根拠が必要)
- 「多くの専門家が推奨する」(実際に推奨している専門家の情報が必要)
- 「〇〇万人が選んだ」(数字の出典が必要)
AIは記事を「いい感じに聞こえる表現」に仕上げようとするため、これらの言い回しを自然に使います。公開前に、最上級の表現が入っていないかを必ず確認してください。
他社・他者を不当に貶める書き方がある
比較記事を書くとき、AIは競合他社・他サービスへの批判的な表現を自然に生成することがあります。「A社のサポートは対応が遅い」「B社の商品は品質が低い」といった内容です。
事実の裏付けなしにこのような表現を公開すると、不正競争防止法第2条第1項第21号(営業誹謗行為)または名誉毀損に当たる可能性があります。法的な責任だけでなく、読者からの信頼も失います。
競合比較は、客観的な事実に基づいて書くのが原則です。「A社の公式サイトには〜という記載がある」というように、一次情報を示す形をとってください。AIが生成した「A社は〜が弱い」という表現は、根拠の確認が難しいため、削除するのが安全です。
「他社に触れない比較記事」という選択肢
実は、他社の名前を出さなくても比較記事は成立します。「このサービスを選ぶときに確認すべきポイント」という形で書けば、読者が自分で比較できる情報を提供しながら、他社批判のリスクをゼロにできます。AIで書いた比較記事を公開する前に、他社の名前が出ている箇所をチェックしてください。
AIは断定しすぎる
「必ず効果が出ます」「100%安全です」「絶対に失敗しません」。AIはこのような断定表現を自然に使います。記事の説得力を高めようとする意図から、AIが根拠なく断言してしまう傾向があります。
健康・美容・医療・金融ジャンルの記事では、これが特に大きな問題になります。たとえば健康食品や化粧品に関する記事で「必ず痩せます」「この成分で肌荒れが治ります」と書くと、医薬品医療機器等法(薬機法)第66条(誇大広告等の禁止)に触れる可能性があります。薬機法の対象は医薬品・医療機器等の広告ですが、健康食品や化粧品についても同様の趣旨で規制が及ぶ場合があります(詳細は厚生労働省の薬機法関連ページを参照)。
また金融・投資系の記事で「この方法で確実に稼げます」「リスクゼロで運用できます」と書くのも同様に問題があります。
断定表現を「確認表現」に変える
断定を避けながら、読者にとって有益な情報を提供することは可能です。「〜の可能性があります」「〜という場合が多いとされています(出典:〇〇)」「〜については、専門家に相談することをおすすめします」といった形に変えることで、正確さと読みやすさを両立できます。
記事に「絶対」「必ず」「100%」「確実に」「保証」といった語が含まれている場合は、その表現が根拠のある断定かどうかを確認してください。根拠がない場合は、断定を和らげる表現に直します。
AIらしい定型句は、読者に気づかれる
AIが頻繁に使う表現があります。読者の多くは、これらの表現を見た瞬間に「AIが書いた記事だ」と感じます。
代表的なものを以下に挙げます。
- 「正直に言うと」「正直なところ」(個人の感想を示す表現として使われるが、AIが多用する)
- 「以上のことから」「これらのことを踏まえると」(論文調のまとめで、ブログには合わない)
- 「ぜひ参考にしてみてください」(記事の末尾の定番フレーズ)
- 「〜と言えるでしょう」「〜ではないでしょうか」(断定を避けた締め方として頻出)
- 「いかがでしたか」(記事のまとめの書き出し)
- 長文中に使われる「——」(全角ダッシュ2つ続き)や水平区切り線
これらが問題なのは、記事の質を下げるからではありません。読者が「この記事はAIが書いたもので、誰かが本当に経験したり調べたりして書いたものではない」と感じてしまうからです。信頼を築くために、これらの表現を削除または書き換えることをおすすめします。
書き換えの考え方
定型句を削除しても、文章の意味は通じます。「正直に言うと〜」は、そのまま「〜」に変えても読めます。「いかがでしたか。今回は〜をまとめました」は、「今回は〜について整理しました。」だけで十分です。
また「——」ダッシュは「、」か「。」に、水平区切り線は削除か段落区切りに変えるだけで、AIらしさが薄れます。小さな変更ですが、積み重なると記事全体の印象が変わります。
GoogleはAIで書くこと自体を問題にしていない
「AIで書いた記事はGoogleに低く評価されるのではないか」という不安を持つ人は多いですが、Google公式はこれを否定しています。
Google検索セントラルの公式ページ「Google検索の基本事項(Search Essentials)」および「有用で信頼性の高い、ユーザー重視のコンテンツの作成」では、コンテンツの評価基準は「誰が書いたか・どう書いたか」ではなく「読者にとって役に立つかどうか」とされています(https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content)。
Googleが問題にしているのは、「scaled content abuse(大量薄量産)」です。同じ型の記事を大量に生成して公開することで検索順位を操作しようとする行為を指し、AIで書くかどうかとは別の問題です(Google「スパムに関するポリシー」https://developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies)。
つまり、AIで書いた記事であっても、実体験・一次情報・原典で確認した数字を核にした記事は評価されます。逆に、人が書いた記事でも、内容の薄いものは評価されません。
確認の習慣を持つことが、AI時代の差別化になる
AI活用が当たり前になると、「AIで記事を書くかどうか」では差がつかなくなります。代わりに差がつくのは、「公開する前に確認する習慣があるかどうか」です。
裏取りをしているか、法的に問題のある表現を削除しているか、読者が信頼できる形に仕上げているか。これらを継続できるブログは、長期的に検索からのアクセスが安定します。逆に、確認なしで公開し続けると、ある日突然クレームを受けるか、Googleの評価が下がるかのどちらかが起きます。
5つのチェックを効率よく行う方法
5つのポイントを手作業でチェックしようとすると、1記事あたり20〜30分かかります。記事を頻繁に出す場合は、チェックの手間が積み重なります。
チェックを手作業で行うための手順は以下のとおりです。
手作業チェックの手順(所要時間の目安)
1. 数字をすべて拾い出し、出典を検索する(5〜10分)
2. 最上級・No.1・唯一・保証などの表現を検索し、根拠があるか確認する(3〜5分)
3. 他社・他者の名前が出ている箇所を確認し、批判的な表現を修正する(2〜3分)
4. 「絶対」「必ず」「100%」「確実」が入っている箇所を確認し、根拠なき断定を修正する(3〜5分)
5. AIらしい定型句(正直に言うと・いかがでしたか・〜と言えるでしょう・ダッシュ記号)を探して削除または書き換える(3〜5分)
合計15〜30分程度です。慣れてくれば短くなりますが、記事本数が増えるとこの作業は続けにくくなります。
AIで書いた記事を、AIでチェックする方法もある
上記5つの観点を自動でチェックするツールを使う方法もあります。記事本文を貼り付けると、出典の欠落・景品表示法に触れる表現・他社批判・断定・AIらしい定型句をスコアとともに指摘して直し方を提案してくれるツールです。
手作業のチェックと組み合わせて使うと、見落としが減ります。
→ AIブログ記事の公開前チェックツール「うらとり」(1日3回無料・月額980円で回数制限なし)
まとめ:公開前の確認は、読者への誠実さ
AIで記事を書くことは、スピードと量を両立させる手段として有効です。しかし、AIが生成したものをそのまま公開し続けると、読者の信頼を少しずつ失います。出典のない数字が積み重なり、根拠のない断定が増え、定型句が繰り返されると、読者は「このサイトの記事は信用できない」と感じるようになります。
公開前の確認は、読者に対する誠実さの表れです。5つのポイントを習慣にするだけで、記事全体の品質が変わります。
- 出典のない数字は、一次資料で確認するか削除する
- 根拠のない最上級表現(業界No.1・最安値等)は使わない
- 他社・他者を不当に貶める表現は削除する
- 断定しすぎの言い回しは根拠を添えるか和らげる
- AIらしい定型句は削除または書き換える
AIで書いた記事を、読者が信頼できるものに仕上げる確認の習慣。それが、AI活用が当たり前になった時代に、長期的に差がつくポイントです。
この記事自体を、うらとりにかけたら何点か
この記事を公開したあと、うらとりに入力してみました。結果は35点でした。
なぜそうなったかというと、記事内で「こういう表現は問題です」と説明するために挙げた例文が、そのままチェックに引っかかったからです。「A社は対応が悪い」という例文は他社批判と判定され、「2025年の調査では78%が〜」という架空の例文は出典なしの数字として検出されました。定型句の一覧(「正直に言うと」「いかがでしたか」等)も、そのまま検出対象になりました。
ツールは文脈を読みません。「この表現はダメです」と書かれていても、その表現が画面の中にある限り、指摘します。
これはうらとりの限界であり、設計上の意図でもあります。うらとりの判定結果の画面には「このチェックはAIによる一次判定です。最終的な事実確認・法務判断は必ずご自身で行ってください」と書いてあります。ツールが出したスコアを最終的な答えにするのではなく、人が見て判断する、という使い方が前提です。
この記事の場合、35点という数字は「記事の質が低い」ことを意味しません。ツールが文脈を誤判定した結果です。ただし、それをツールに確認させることはできません。確認するのは人間です。
→ AIブログ記事の公開前チェックツール「うらとり」(1日3回無料・月額980円で回数制限なし)


コメント