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移動式クレーンには、労働安全衛生法・クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号)に基づき、複数の安全装置の設置が義務付けられています。試験では「どの装置が義務付けられているか」「設置根拠となる条文は何条か」という問いが繰り返し出題されます。各装置の役割と条文をセットで整理しておきましょう。
設置が義務付けられている安全装置一覧
クレーン等安全規則が定める主な安全装置は以下の4種です。第24条から第27条まで順番に覚えると整理しやすくなります。
| 装置名 | 根拠条文 | 役割・作動内容 |
|---|---|---|
| 巻過防止装置 | 第24条 | フックが上限位置に達すると自動停止し、過巻きによるワイヤロープ切断・フック落下を防ぐ |
| 過負荷防止装置 | 第25条 | 定格荷重を超える荷重がかかった場合に作業動作を自動停止し、クレーン本体の破損を防ぐ |
| 傾斜角指示装置 | 第26条 | ジブ(ブーム)の傾斜角を運転者に常時表示し、定格総荷重の確認を助ける |
| 外れ止め装置(フックのラッチ) | 第27条 | フック口からのスリング・つり具の外れを防止する |
出典:クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号)第24条〜第27条
各装置の詳細と作動原理
巻過防止装置(第24条)
フックを巻き上げすぎると、ワイヤロープがシーブ(滑車)に巻き込まれ切断したり、フックがシーブに激突したりする「過巻き事故」が発生します。巻過防止装置はフックが設定した上限位置に達すると、リミットスイッチが作動して巻き上げ動作を自動停止します。
方式には大きく2種類あります。重錘形(ウエイト式)は、ワイヤロープに吊り下げた重錘がフックに押し上げられることでスイッチが作動するシンプルな仕組みです。スクリュー形は、ドラムの回転数をネジ機構で検知して作動します。どちらも月次の定期自主検査(クレーン則第76条)での作動確認が義務付けられています。
試験では「巻過防止装置が作動した場合、直ちに点検・調整を行わなければならない」という義務も問われることがあります。作動後は必ず原因を確認し、再発防止措置を取りましょう。
過負荷防止装置(第25条)
定格荷重を超える荷物をつり上げようとすると、クレーン本体に過剰な応力がかかり、最悪の場合は転倒・破断に至ります。過負荷防止装置はロードセル等で実際の荷重を検出し、定格荷重超過時に警報を発しつつ作業動作を停止させます。設定値は定格荷重の105〜110%程度で作動するよう設定されることが多く、これにより吊り荷の急停止による衝撃荷重も考慮した安全余裕が確保されます。
傾斜角指示装置(第26条)
移動式クレーンの定格総荷重はジブ傾斜角と作業半径によって変化します。傾斜角指示装置(アングルインジケーター)は現在のジブ傾斜角を運転室内の計器に表示し、運転者が荷重特性曲線表(定格総荷重一覧)と照合して安全な作業を行えるようにします。ジブを寝かせるほど作業半径が大きくなり定格総荷重は小さくなるため、常に現在の傾斜角を把握することが重要です。
外れ止め装置(第27条)
フックのラッチ(外れ止め)は、スリングやシャックルがフックの口から意図せず外れるのを防ぐための装置です。吊り荷が揺れたり傾いたりしたときにも外れないよう、ラッチが自動的にフックの口を塞ぎます。ラッチが破損・欠損しているフックの使用は禁止されており、定期点検で確認すべき重要な箇所の一つです。
義務のない安全装置(任意設置)
以下の装置は安全規則上の義務はありませんが、実務上多くの機種に装備されています。これらは義務付けられた安全装置とは区別して理解する必要があります。
| 装置名 | 役割 |
|---|---|
| 作業半径表示装置 | 現在の作業半径を運転者に表示 |
| 安全弁(リリーフ弁) | 油圧回路の過圧を逃がし、ホース・シリンダの破損を防ぐ |
| モーメントリミッター | 吊り上げモーメントが定格値に近づくと警報・停止 |
| 水平器 | クレーン本体の傾きを確認する計器 |
安全装置の月次・年次点検
設置義務がある安全装置はいずれも、月次自主検査(クレーン則第76条)と年次自主検査(クレーン則第79条)の対象です。月次検査では各装置の作動確認、年次検査では構造部品を含む詳細点検が実施されます。点検記録は3年間保存(第80条)が義務付けられています。
試験対策:よく出る問いと答え
| 問い | 答え |
|---|---|
| 巻過防止装置の設置根拠条文は? | クレーン則第24条 |
| 過負荷防止装置の設置根拠条文は? | クレーン則第25条 |
| 傾斜角指示装置の設置根拠条文は? | クレーン則第26条 |
| 外れ止め装置の設置根拠条文は? | クレーン則第27条 |
| 作業半径表示装置は義務付けられているか? | 義務なし(任意設置) |
| 安全装置の点検記録保存期間は? | 3年間 |
安全装置は条文番号とセットで暗記するのが効率的です。第24〜27条の4装置を「義務付き装置」としてまとめて覚え、任意設置の装置と区別できるようにしましょう。過去問では「作業半径表示装置の義務の有無」のような引っかけが出ることがあるため、義務のある装置の条文番号を確実に押さえておくことが得点につながります。


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