クレーンに関する行政検査には「落成検査」「使用検査」「性能検査」の3種類があります。名称が似ているため混同されやすいですが、受検のタイミングと目的が異なります。クレーン等安全規則の条文番号とあわせて整理します。
3種類の行政検査の概要
| 検査名 | 受検タイミング | 実施者 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 落成検査 | クレーンを設置・組み立て完了後 | 所轄労働基準監督署長 | 第7条〜第9条 |
| 使用検査 | 製造後・未設置または検査証失効後 | 都道府県労働局長 | 第48条〜第51条 |
| 性能検査 | 検査証の有効期間(2年)ごとの更新時 | 登録性能検査機関等 | 第52条〜第55条 |
落成検査とは
落成検査は、つり上げ荷重3t以上のクレーンを設置した後、実際に使用する前に受ける検査です。事業者は設置工事完了後、所轄労働基準監督署長に落成検査申請書を提出し、検査を受けます(第7条)。
落成検査の流れ
- 設置届の提出(工事開始30日前まで):第6条
- 設置・組み立て工事の実施
- 落成検査申請書の提出
- 所轄労働基準監督署長による検査の実施
- 合格後、クレーン検査証の交付(第10条)
落成検査では、クレーンの各部の構造が設置届の内容と合致しているか、荷重試験(定格荷重の1.25倍の荷重によるつり上げ試験)が合格基準に達しているかなどが確認されます。
使用検査とは
使用検査は、製造後に使用前の状態にあるクレーン(設置届なしで保管されているもの)や、検査証が失効した後に再使用するクレーンが受ける検査です(第48条)。申請先は都道府県労働局長で、落成検査の申請先(所轄労働基準監督署長)と異なる点が試験でよく問われます。
使用検査が必要な主なケース
- 製造されたが設置されていないクレーンを使用する場合
- 検査証の有効期間が切れ、性能検査を受けなかったクレーンを再使用する場合
- 輸入したクレーンを初めて使用する場合
落成検査と使用検査の違い一覧
| 項目 | 落成検査 | 使用検査 |
|---|---|---|
| 対象 | 設置・組み立て完了後のクレーン | 製造後・未設置のクレーン、検査証失効後のクレーン |
| 申請先 | 所轄労働基準監督署長 | 都道府県労働局長 |
| 事前手続き | 設置届(工事開始30日前まで) | 特になし |
| 検査後 | 検査証の交付(第10条) | 検査証の交付(第51条) |
製造許可と製造検査との関係
つり上げ荷重3t以上のクレーンを製造しようとする者は、あらかじめ所轄都道府県労働局長の製造許可を受ける必要があります(第3条)。製造段階の検査(製造検査)を受けて合格すると製造検査済票が交付されます(第5条)。ただし製造検査済票があっても、設置後は落成検査が必要です。
試験での出題ポイント
- 落成検査の申請先:所轄労働基準監督署長
- 使用検査の申請先:都道府県労働局長
- 設置届の提出時期:工事開始30日前まで(第6条)
- 検査証が交付される検査:落成検査・使用検査どちらも
- 「使用検査は設置届提出後に受ける」→ 誤り
まとめ
落成検査は設置後に所轄労働基準監督署長に受ける検査、使用検査は製造後・未設置または検査証失効後のクレーンが都道府県労働局長に受ける検査です。試験では申請先・タイミング・根拠条文の違いが問われます。

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