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安全弁はボイラーが最高使用圧力を超えたとき自動的に蒸気を吹き出して圧力を下げる安全装置です。二級ボイラー技士試験では安全弁の種類・取付基準・吹出し圧力・手動試験の方法が繰り返し出題されます。「ばね式」「揚程式・全量式」の違いと数値をしっかり覚えることが合格につながります。
安全弁の種類と構造
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 揚程式安全弁 | 弁体(ディスク)の揚程(リフト)が弁座径の1/40〜1/4。開弁面積が小さく、蒸気排出量はやや少ない。 | 中小容量ボイラー |
| 全量式安全弁 | 弁体の揚程が弁座径の1/4以上。開弁面積が大きく、一度開くと蒸気を一気に大量排出する。ポップアクション型。 | 高圧・大容量ボイラー |
| ばね式安全弁 | ばねの力で弁を閉じ、圧力が設定値を超えるとばねが押し縮められて弁が開く。最も一般的。 | ほぼすべてのボイラー |
| レバー式安全弁 | おもりのついたレバーが弁を押さえる旧来の方式。現在は新設ボイラーへの採用はほぼない。 | 一部の既設ボイラー |
ボイラー構造規格が定める取付基準
- 蒸気ボイラーには安全弁を1個以上取り付ける(伝熱面積50m²を超えるボイラーは2個以上)
- 安全弁はボイラー本体の蒸気部または蒸気取り出し口付近に取り付ける
- 過熱器のある場合は過熱器出口にも安全弁を取り付ける
- 安全弁の吹出し管(排気管)は屋外に開口させる。または安全な場所に導く
- 安全弁には施錠や封印などの不正調整防止措置を講じる
安全弁の吹出し圧力の設定
安全弁の吹出し圧力(調整圧力)は最高使用圧力以下に設定します。蒸気ボイラーに2個以上の安全弁を取り付ける場合の基準は次のとおりです。
| 安全弁の数 | 吹出し圧力の設定基準 |
|---|---|
| 1個の場合 | 最高使用圧力以下 |
| 2個の場合 | 1個は最高使用圧力以下、もう1個は最高使用圧力の1.03倍以下(ただし最高使用圧力との差が0.05MPa以下の場合はその差の3倍以下でよい) |
吹出し圧力は吹き始め(吹き出す)圧力であり、弁が閉じる圧力(吹き止まり圧力)はそれより低い値になります。吹き止まり圧力と吹き始め圧力の差をブローダウンと呼び、揚程式では吹き始め圧力の10%以下に調整します。
手動試験の方法と目的
安全弁が固着していないか、いざというとき確実に作動するかを確認するため、定期的に手動試験(手動吹き出し試験)を行います。
手動試験は安全弁のレバーやリフティングデバイスを手で操作して弁を強制的に開く方法です。最高使用圧力の75%以上の圧力があるときに実施します(圧力が低いと弁を開いても蒸気が十分に吹き出ず、試験の意味がなくなるため)。
- 最高使用圧力の75%以上の圧力で実施
- レバーを引いて弁を強制的に開き、蒸気が吹き出すことを確認
- レバーを放したとき弁が確実に閉じることを確認
- 試験後はレバーを元の位置(ロック位置)に戻す
安全弁のトラブルと対処
| トラブル | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 吹き始め圧力に達しても開かない | 弁座の固着・ばねの折損・設定不良 | 点検・修理・調整 |
| 吹き始め圧力より低い圧力で開く | ばねの劣化・調整ずれ | 再調整・ばね交換 |
| 一度開いたあと閉じない(吹き漏れ) | 弁座面への異物噛み込み・弁座面の損傷 | 手動試験で吹き清め・それでも改善しなければ点検 |
| 常時微量の蒸気が漏れる | 弁座面の腐食・弁体の変形 | 弁座研磨・部品交換 |
試験で間違えやすいポイント
- 「安全弁はすべてのボイラーで2個必要」は誤り。伝熱面積50m²超で2個以上が必要。
- 「手動試験は最高使用圧力に達してから行う」は誤り。75%以上で実施する。
- 「安全弁の吹出し圧力は最高使用圧力の1.1倍以下」は誤り。原則は最高使用圧力以下(2個目は1.03倍以下)。
- 「揚程式は全量式よりリフトが大きい」は誤り。全量式の方がリフトが大きく(1/4以上)、大量排出に向く。
この記事のまとめ
- 安全弁はボイラーが最高使用圧力を超えた際に自動的に蒸気を逃がす最重要の安全装置
- 揚程式はリフト小・全量式はリフト大(1/4以上)。現在の主流はばね式
- 吹出し圧力は原則として最高使用圧力以下に設定する
- 手動試験は最高使用圧力の75%以上で実施。弁の固着と確実な閉止を確認する
出典:ボイラー構造規格(昭和47年労働省告示第33号)・ボイラー及び圧力容器安全規則(e-Gov法令検索)
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月
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