消防設備士 乙2 加圧送水装置の役割と種類

泡消火設備の加圧送水装置は、水源から水を吸い上げ泡水溶液をフォームヘッドまで送る設備です。主にポンプ方式(電動機または内燃機関で駆動する遠心ポンプ)が使われ、消防法施行規則第18条の基準を満たす吐出量・全揚程が必要です。起動は感知器からの信号で自動的に行われます。

問題をすぐに解いてみたい方はこちらをご利用ください。
▶ 消防設備士 乙種第2類 問題集

加圧送水装置の役割と種類

加圧送水装置は泡消火設備において水源の水を圧力をかけてフォームヘッドまで送る役割を持ちます。設備全体の「心臓部」に相当し、ポンプが停止すると消火設備が機能しなくなります。

加圧送水装置の方式は3種類あります。

方式 仕組み 特徴
ポンプ方式 電動機または内燃機関で遠心ポンプを駆動して送水する 最も一般的な方式。停電時は非常電源(自家発電・蓄電池)で稼働
加圧水槽方式 密封した水槽内に圧縮空気を充填し、その圧力で送水する ポンプが不要。小規模設備に用いられることがある
高架水槽方式 建物の高い位置に水槽を設置し、自然落下の水圧で送水する 電源不要。高さによって得られる圧力が限られる

泡消火設備では大流量・高圧力が必要な場合が多いため、ポンプ方式が採用されるケースがほとんどです。

ポンプ設備の構成要素

ポンプ方式の加圧送水装置は次の要素で構成されます。

主ポンプは遠心ポンプが一般的で、電動機で駆動します。フート弁(底弁)は水中に設置し、ポンプ停止時に水が逆流しないよう逆止弁の役割を果たします。呼水装置(プライミング装置)はポンプの吸い込み側を水で満たし、ポンプが空気を吸い込まないようにする装置です。逆止弁は水の逆流を防ぐ弁です。圧力タンクは水圧を一定に保つために設置します。

起動用水圧開閉装置(圧力スイッチ)は、配管内の圧力が一定値以下に低下するとポンプを自動的に起動させる装置です。スプリンクラー設備と共通の仕組みです。

ポンプの性能基準

泡消火設備のポンプには次の性能が求められます(消防法施行規則第18条に基づく)。

吐出量(L/min)は同時放射するフォームヘッドの数×1個あたりの規定放射量で算出します。全揚程(m)はポンプから最遠・最高位のヘッドまでの摩擦損失水頭+落差+ヘッドの設計圧力(換算水頭)の合計で算出します。

ポンプは定格の150%の吐出量で運転した場合に全揚程が65%以上を維持できる性能(Q-H特性)が必要です。定格運転時の吐出量での全揚程が規定値を下回らないことが条件です。

非常電源の設置要件

加圧送水装置(ポンプ)は停電時にも稼働できるよう、非常電源の設置が必要です(消防法施行規則第18条)。非常電源の種類は自家発電設備・蓄電池設備・燃料電池設備などがあります。非常電源の容量は、設備が30分以上稼働できる容量が必要です(消防法施行規則第18条の2第3号)。

ポンプの点検と整備

加圧送水装置(ポンプ)は消防設備の定期点検(外観・機能・総合の3種類)の対象です(消防法施行規則第31条の6)。機能点検ではポンプの起動確認(起動スイッチを押して正常に起動するか)・圧力計の指示値確認・逃げ口弁の作動確認などを行います。総合点検では実際に放水試験(または泡放射試験)を行い、設計値どおりの吐出量・全揚程が確保されているかを確認します。

まとめ

泡消火設備の加圧送水装置は主にポンプ方式(電動機駆動の遠心ポンプ)が使われます。ポンプ設備は主ポンプ・フート弁・呼水装置・逆止弁・圧力タンク・起動用水圧開閉装置で構成されます。ポンプの性能基準(吐出量・全揚程)は消防法施行規則第18条に基づき、同時放射する全ヘッドをカバーできる容量が必要です。停電時のために非常電源の設置も義務です。定期点検では起動確認・圧力確認・放水試験を実施します。

問題をすぐに解いてみたい方はこちらをご利用ください。
▶ 消防設備士 乙種第2類 問題集

関連記事

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

fufumumu_designをフォローする
資格
fufumumu_designをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました