スプリンクラー設備の仕組み。ヘッドが作動してから放水・ポンプ起動までの流れ

スプリンクラー設備の仕組み。ヘッドが作動してから放水・ポンプ起動までの流れ 資格

スプリンクラー設備は、火災によって温度が上昇するとスプリンクラーヘッドが自動的に作動し、放水・警報・ポンプ起動が連動して行われる設備です。「どの順番で何が作動するか」は消防設備士第1類の試験でも出題されます。この記事では、ヘッドが開放してから放水・警報・ポンプ起動に至るまでの一連の流れを、設備の構成とあわせて解説します。

問題をすぐに解いてみたい方はこちらをご利用ください。
▶ 消防設備士 第1類 問題集

スプリンクラー設備を構成する主な機器

湿式スプリンクラー設備(最も一般的な方式)の主な構成機器は次のとおりです。

機器 役割
水源(水槽) 放水に使う水を貯留する
加圧送水装置(ポンプ) 水源の水を加圧して配管に送る
補助高架水槽 配管内を常時加圧(ポンプ停止中も圧力を保持)
流水検知装置(アラーム弁) ヘッド開放による水の流れを感知し警報を出す
配管・管継手 水源からヘッドまで水を届ける
スプリンクラーヘッド 火熱を感知して開放、散水する
末端試験弁 配管末端で流水検知装置の動作確認をする
起動用水圧開閉装置(圧力スイッチ) 配管内の圧力低下を感知してポンプを自動起動する

ヘッドが作動してから放水・警報までの流れ

火災が発生してヘッドが作動してから放水・ポンプ起動・警報に至るまでの順番は次のとおりです。

まず、火災の熱でスプリンクラーヘッドの感熱部(ガラスバルブまたはフュージブルリンク)が作動し、ヘッドが開放します。ヘッドが開放すると、そのヘッドの位置(2次側)の配管内の圧力が下がります。

次に、流水検知装置(アラーム弁)のクラッパーが開きます。1次側(ポンプ側)から2次側(ヘッド側)に向けて水が流れ始めます。流れた水はアラーム弁のアラーム管(警報管)を通って警報弁(圧力スイッチや水力警報装置)を作動させます。これが警報(ベル・サイレン等)の発信につながります。

さらに、配管内の圧力低下を起動用水圧開閉装置(圧力スイッチ)が感知すると、加圧送水装置(ポンプ)が自動起動します。ポンプが起動することで継続的な放水が確保されます。

この流れをまとめると次のようになります。ヘッド開放→配管圧力低下→アラーム弁クラッパー開→水の流れ開始→警報発信→圧力スイッチがポンプ自動起動→継続放水、という順番です。

補助高架水槽の役割

補助高架水槽は、ポンプが停止している通常時に配管内の圧力を保持するための小型の水槽です。最高位のヘッドよりも高い位置に設置します(消防法施行規則第14条第1項第9号)。

ポンプが止まっている間も補助高架水槽から配管に水が供給されているため、配管内は常に加圧状態を保てます。ヘッドが1個開放した瞬間、その圧力低下を補助高架水槽が補い、起動用水圧開閉装置が感知してポンプを起動する仕組みです。補助高架水槽の容量は、規定のヘッド数が作動した際に十分な時間放水できる量が必要です。

乾式・予作動式との違い

通常の「湿式」は配管内に常時水が充填されていますが、凍結の恐れがある場所では「乾式」、誤放水を避けたい場所では「予作動式」が使われます。

乾式は配管内が圧縮空気で充填されています。ヘッドが作動すると空気が抜けて乾式弁が開き、水が流れます。湿式と比べてヘッド開放から放水までのタイムラグがあります。

予作動式は配管内に空気が充填されていますが、乾式と異なり「スプリンクラーヘッドの開放」と「火災感知器の作動」の2つの条件が揃って初めて放水します。コンピューター室・美術館など、誤放水が特に困難な場所で使われます。

各方式の流水検知装置(アラーム弁の種類)の見分け方は、鑑別対策の記事でまとめています。
→ 第1類の鑑別対策。アラーム弁・スプリンクラーヘッド・流水検知装置の見分け方

スプリンクラー設備の設置義務がある建物

スプリンクラー設備の設置義務は消防法施行令第12条に定められています。建物の用途・延べ面積・階数によって設置が必要かどうかが決まります。高さ31mを超える建物は原則として全フロアへの設置義務があります。設置義務の詳細はこちらの記事で確認できます。
→ 屋内消火栓とスプリンクラー、設置義務がある建物はどこか。施行令第11条・第12条を整理する

まとめ

スプリンクラー設備の作動の流れは「ヘッド開放→配管圧力低下→アラーム弁クラッパー開→水流→警報発信→ポンプ自動起動→継続放水」の順番です。補助高架水槽は通常時の配管加圧を担い、圧力低下でポンプを呼び出す役割があります。乾式・予作動式は配管内が空気で充填されており、特殊な環境や高度な安全が求められる場所に使われます。試験では作動の順番・各機器の役割・補助高架水槽の設置条件が出題されます。

問題をすぐに解いてみたい方はこちらをご利用ください。
▶ 消防設備士 第1類 問題集

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

fufumumu_designをフォローする
資格
fufumumu_designをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました