屋内消火栓には「1号消火栓」「2号消火栓」「広範囲型1号消火栓」の3種類があります。それぞれ使用するホースの口径・放水量・操作人数・設置できる場所が異なります。消防設備士第1類の試験でも、各消火栓の規格数値・設置基準・適用対象が出題されます。この記事では、各消火栓の仕様と使い分けの根拠を整理します。
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▶ 消防設備士 第1類 問題集
屋内消火栓の3種類と規格の比較
消防法施行規則第12条に基づく屋内消火栓の規格は次のとおりです。
| 種類 | ホース口径 | 放水量 | 放水圧力 | 水平距離 | 操作人数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1号消火栓 | 40mm以上(65mm) | 130L/min以上 | 0.17MPa以上 | 25m以下 | 2人 |
| 2号消火栓 | 25mm | 60L/min以上 | 0.25MPa以上 | 15m以下 | 1人 |
| 広範囲型1号消火栓 | 40mm以上(65mm) | 130L/min以上 | 0.17MPa以上 | 25m以下 | 1人 |
出典:消防法施行規則第12条第1項各号(屋内消火栓設備の技術上の基準)
1号消火栓は大型で放水量が多いですが2人での操作が必要です。2号消火栓は小型で1人操作できますが、水平距離が15mと短く放水量も少なくなります。広範囲型1号消火栓は1号と同じ放水能力を1人操作で使える設計で、2012年に設けられた比較的新しい区分です。
1号消火栓の仕様と特徴
1号消火栓は最も一般的な消火栓で、劇場・映画館・百貨店・工場など、多くの建物に設置されています。ホースの口径は40mm以上(実際には65mmが標準)で、長さ15mのホースを2本接続して使用します。ノズル(管鎗)は棒状放水と噴霧放水を切り替えられる複合ノズルが多く使われています。
操作は2人必要です。1人がホースを持って延長し、もう1人が消火栓箱の開閉弁を操作してポンプを起動します。大量の水を一度に放水できるため、大規模な初期消火に適しています。
消火栓箱には、ホース・ノズル・開閉弁(消火栓弁)・起動ボタン・放水口が収納されています。消火栓箱の赤色の表示灯が設置義務の位置を示します。
2号消火栓の仕様と特徴
2号消火栓はリール(ホースリール)式で、25mmのホースが巻き取り収納されています。1人で操作できるため、火災初期の素早い行動に向いています。放水量は60L/min以上と1号より少なく、カバーできる水平距離も15mです。
2号消火栓は1号消火栓が設置できない場所(通路が狭い・操作者2人を確保しにくい場所)に設置されることがあります。また、小規模な建物での設置例もあります。消防法施行規則第12条の規定により、2号消火栓の設置が認められている建物の用途・規模が定められています。
広範囲型1号消火栓の仕様と特徴
広範囲型1号消火栓は、1号消火栓と同じ放水能力(放水量130L/min以上・放水圧力0.17MPa以上・水平距離25m)を維持しながら、1人での操作を可能にした消火栓です。2012年(平成24年)の消防法施行規則改正で追加されました。
ホース・ノズル・操作の仕組みは1号消火栓に準じますが、1人でも扱いやすい設計になっています。学校・社会福祉施設など、人員を2人確保しにくい施設での設置が想定されています。試験では「広範囲型1号消火栓の水平距離は何mか」「操作人数は何人か」という問いに正確に答えられるようにしておきます。
設置できる場所・置き換え可否
2号消火栓と広範囲型1号消火栓は、1号消火栓を設置すべき場所に代替設置できる場合があります。ただし、設置の代替可否は建物の用途・規模・階数によって異なります。
消防法施行規則第12条第1項第5号では、2号消火栓は地階・無窓階・4階以上の階には設置できない旨の制限があります。1号消火栓または広範囲型1号消火栓が必要な場所では、2号消火栓への置き換えは認められません。
建物の設置義務(設置が必要な延べ面積・用途)については、こちらの記事でまとめています。
→ 屋内消火栓とスプリンクラー、設置義務がある建物はどこか。施行令第11条・第12条を整理する
試験で出る数値の覚え方
消火栓の規格数値は試験頻出です。混乱しやすい数値を整理します。
放水量は「1号=130・2号=60・広範囲型1号=130」(単位:L/min以上)です。放水圧力は「1号=0.17・2号=0.25・広範囲型1号=0.17」(単位:MPa以上)です。2号消火栓は放水量が少ない代わりに放水圧力が高くなっています。水平距離は「1号・広範囲型1号=25m・2号=15m」です。
圧力の単位はMPa(メガパスカル)です。「0.17MPa」はおよそ1.7kgf/cm²に相当します。試験では単位変換が必要な問題が出ることがあります。
第1類で覚える数値の一覧は、こちらの記事でまとめています。
→ 消防設備士 1類で覚える数字のまとめ。法令・設置基準・規格を条文つきで
まとめ
屋内消火栓の3種類を整理します。1号消火栓は放水量130L/min以上・水平距離25m・2人操作が標準です。2号消火栓は放水量60L/min以上・水平距離15m・1人操作で、地階・無窓階・4階以上には設置できません。広範囲型1号消火栓は1号と同じ能力で1人操作が可能な2012年追加の区分です。試験では放水量・放水圧力・水平距離・操作人数の数値を正確に覚えておくことが重要です。
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