型式失効・廃盤消火器の確認方法と廃棄手続き。製造者不明な古い消火器の扱い

型式失効・廃盤消火器の確認方法と廃棄手続き。製造者不明な古い消火器の扱い 資格

型式失効とは何か

消火器を製造・販売するには、消防法第21条の2に基づく型式承認を取得する必要があります。型式承認とは、消火器が技術上の規格を満たしていることを国が確認する手続きです。

型式失効とは、この型式承認がいったん取り消されたり、法改正によって旧規格が廃止されたりすることで、その型式の消火器が製造・販売できなくなることをいいます(消防法第21条の9)。

古い規格で製造された消火器は、現行の規格を満たさなくなった時点で型式失効の対象となります。近年では、2011年の規格改正により旧規格消火器の型式が失効し、2021年12月31日をもって設置期限が切れました。

設置済みの型式失効消火器はいつまで使えるか

型式が失効した消火器は、失効後も一定の経過措置期間中は設置し続けることが認められる場合があります。ただし、経過措置期間が終了した後は設置を継続できません。

2011年の規格改正に伴う旧規格消火器については、2021年12月31日までが設置継続の経過措置期間でした。この期限を過ぎた現在、旧規格消火器が設置されたままになっている施設は、すみやかに交換が必要です。

状態 対応
型式承認有効・製造年10年未満 継続設置可能
型式承認有効・製造年10年超 耐圧性能試験または交換が必要
型式失効・経過措置期間内 設置継続可能(期限内)
型式失効・経過措置期間後 設置不可・交換必須

型式失効消火器の見分け方

設置されている消火器が型式失効品かどうかを確認するには、本体ラベルを見ます。

  • 製造年の確認:本体または底部のラベルに製造年が記載されています。2011年以前に製造された消火器は旧規格品の可能性が高いです。
  • 型式番号の確認:ラベルに記載された型式番号を、消火器工業会や消防庁が公開する型式一覧と照合します。
  • ラベルのデザイン:旧規格品は現行規格品と異なる表記方法(能力単位の旧記号など)が使われていることがあります。

消火器工業会(JFEMA)の公式サイトでは、旧規格消火器のリストや判別方法が公開されています。製造者が廃業・合併しており直接確認できない場合も、同会への問い合わせで対応できます。

製造者が不明な場合の確認先

消火器のメーカーが廃業・合併・社名変更しており、どこに問い合わせればいいか分からない場合は、以下の窓口を利用してください。

  • 消火器工業会(JFEMA):国内の消火器メーカーが加盟する団体。旧規格品・廃盤品の確認相談に応じています。
  • 所轄の消防署:設置された消火器の適否について相談できます。点検中に発見した場合も、消防署への確認が最も確実です。
  • 消防庁の型式承認リスト:消防庁のウェブサイトで型式承認品の一覧が公開されており、型式番号から有効・失効の確認ができます。

廃棄手続き:リサイクルシール方式と特定窓口

型式失効消火器や使用済み消火器を廃棄する際は、ガスの放出や爆発のリスクがあるため、適切な方法で廃棄しなければなりません。自分で穴を開けたり、一般ゴミとして廃棄することは禁止されています。

リサイクルシール方式

消火器リサイクル推進センターが運営する廃棄スキームです。ホームセンター・消防設備業者などの「特定窓口」にリサイクルシール(有料)を購入・貼付して持ち込むか、指定引取場所に直接持ち込む方法があります。費用は消火器の種類・大きさによって異なります(目安として数百〜数千円)。

消防設備業者への依頼

点検・整備を委託している消防設備業者に廃棄処理を一括で依頼することもできます。型式失効消火器をまとめて処分したい場合は、業者に相談するのが効率的です。

点検時に型式失効消火器を発見した場合の対応

消防設備士として点検業務を行う際、型式失効消火器や設置期限切れの消火器を発見した場合は、以下の対応が求められます。

  • 不良事項として点検票に記録する:点検結果報告書の「不良」欄に、型式失効・設置期限切れを記載します。
  • 管理権原者・防火管理者に説明する:交換の必要性と根拠(経過措置期間終了)を伝え、速やかな対応を促します。
  • 交換後に再点検・記録を更新する:交換が完了したら記録を更新し、次回の点検に備えます。

設置維持義務(消防法第17条第1項)を負うのは管理権原者ですが、消防設備士は不良事項を正確に伝え、適切な対応を支援する役割を担っています。

試験での出題パターン

乙種第6類の試験では、型式失効・型式承認に関連する以下の内容が出題されます。

  • 型式承認の根拠条文(消防法第21条の2)
  • 型式失効の仕組み(消防法第21条の9)
  • 製造年と耐圧性能試験の要否(製造年から10年を超えた消火器)
  • 廃棄の方法(穴開け禁止・リサイクルシール方式)

「型式承認」と「型式失効」は混同しやすいテーマです。承認は「製造・販売できる許可」、失効は「その許可が取り消されること」と整理してください。経過措置期間が終了した型式失効消火器は設置できない、という点も頻出です。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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