消防設備士は全部で13区分。甲種と乙種の業務範囲が違う
消防設備士の資格は、甲種6区分(第1〜5類・特類)と乙種7区分(第1〜7類)の合計13区分に分かれています。甲種と乙種では、できる業務の範囲が異なります。
- 甲種:消防設備等の工事・整備・点検ができる(消防法第17条の5)
- 乙種:消防設備等の整備・点検のみできる(同条)
「工事」とは、設備を新たに設けたり、既存の設備を撤去・移設したりする作業です。甲種はこの工事まで業務独占で行えますが、乙種はできません。
第6類に甲種が存在しない理由
13区分のうち、第6類(消火器)と第7類(漏電火災警報器)には甲種がありません。乙種のみです。
消火器の設置は、スプリンクラーや自動火災報知設備のような配管・配線工事を伴いません。所定の場所に置いて固定するだけであり、専門的な「工事」には該当しません。そのため、消防法施行令の種別規定において第6類・第7類に甲種の区分が設けられていません。
試験でよく問われる点として、「甲種第6類を受験したい」は誤りであることを押さえておいてください。
全13区分の担当設備一覧
| 区分 | 種別 | 担当する消防設備 |
|---|---|---|
| 甲種特類 | 甲 | 特殊消防用設備等(特定の大規模施設向け・総務大臣の認定品) |
| 甲種第1類 | 甲・乙 | 屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・屋外消火栓設備 |
| 甲種第2類 | 甲・乙 | 泡消火設備 |
| 甲種第3類 | 甲・乙 | 不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備 |
| 甲種第4類 | 甲・乙 | 自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・消防機関へ通報する火災報知設備 |
| 甲種第5類 | 甲・乙 | 金属製避難はしご・救助袋・緩降機 |
| 乙種第6類 | 乙のみ | 消火器・簡易消火用具(水バケツ・乾燥砂など) |
| 乙種第7類 | 乙のみ | 漏電火災警報器 |
第1〜5類には甲種と乙種の両方が存在します。第6類・第7類は乙種のみです。
乙6が「最初の1本」として選ばれる3つの理由
消防設備士の資格を初めて取る場合に乙6が選ばれやすい理由は、主に3点あります。
- 受験資格がない:乙種は学歴・年齢・実務経験に関係なく誰でも受験できます(甲種は実務経験・学歴等の受験資格が必要)。
- 設置義務の対象が広い:消火器は多くの防火対象物に設置が義務づけられており(消防法施行令第10条)、業務の需要が高い設備です。
- 科目免除の起点になる:乙6取得後に他の類を受験すると、法令共通6問が免除されます(消防法施行規則第33条の12)。乙6を先に取ると、次の資格の学習コストが下がります。
取得順序の例:乙6を起点に科目免除を活かす
科目免除を最大限に活用した取得順序の一例です。
- 乙6(法令共通・基礎・構造・規格・鑑別の全科目を学ぶ)
- 乙4(法令共通6問が免除。自動火災報知設備の整備・点検が可能になる)
- 甲4(乙4取得後に実務経験等の受験資格を満たせば受験可能。工事まで業務範囲が広がる)
- 乙7(乙6や乙4との法令免除を利用。漏電火災警報器の整備・点検が可能になる)
複数の類を取得すると対応できる設備が増え、消防設備保守会社やビル管理の現場での対応範囲が広がります。
乙7の試験については、消防設備士 乙種第7類(漏電火災警報器)の試験ガイドでまとめています。
試験での出題パターン
乙6の法令(共通)では、以下の形式で甲乙の業務範囲が問われることがあります。
- 「消防設備士が行える業務として正しいものはどれか」→乙種は工事不可・整備と点検のみ(消防法第17条の5)
- 「第6類の消防設備士は何種か」→乙種のみ(甲種第6類は存在しない)
- 「甲種の受験資格として正しいものはどれか」→学歴・実務経験・他の免状による区分ごとの要件(消防法施行規則第33条の8)
「乙6の整備業務独占」と「甲種がない理由」はセットで整理しておくと、複数の問題に対応できます。


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