第1類の鑑別対策。アラーム弁・スプリンクラーヘッド・流水検知装置の見分け方

第1類の鑑別対策。アラーム弁・スプリンクラーヘッド・流水検知装置の見分け方 資格

消防設備士第1類の実技試験は「鑑別等」と「製図」(甲種のみ)で構成されます。鑑別とは、機器の写真や図を見て名称・用途・仕組みを答える問題です。知識として知っていても、写真を見て即座に名前を言えなければ点数にはなりません。この記事では第1類の鑑別試験に出る機器を絞り込み、写真や実物を確認するときの判別ポイントを整理します。

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実技試験の構成と合格基準

消防設備士試験の実技試験は、筆記試験とは別に得点が計算されます。実技試験の合格基準は得点率60%以上(消防法施行規則第33条の3)で、筆記試験を通過していても実技が60%未満であれば不合格になります。

乙種第1類の実技試験は「鑑別等」5問のみです。5問で60%以上、つまり3問以上の正解が目安ですが、部分点がある記述式の問題では1問の中の複数の設問それぞれに正解する必要があります。

甲種第1類の実技試験は「鑑別等」5問と「製図」2問(計7問相当)です。鑑別の問題数は乙種と同じ5問ですが、甲種では製図も評価対象に加わります。製図は配管の系統図や平面図を読み取る問題、または系統図を完成させる問題が出題されます。

実技試験で落としにくいのは「名称を問う問題」です。機器の写真が示されて「この機器の名称を答えなさい」という問題は、名前を正確に覚えていれば答えられます。逆に「この機器の役割を説明しなさい」という問題は、仕組みの理解が必要です。まず名称を全部覚えてから、その機能と使われる場所を整理する順番で勉強すると効率がよいです。

流水検知装置の種類と見分け方

スプリンクラー設備で中心的な機器は「流水検知装置」です。スプリンクラーヘッドが作動して水が流れると、流水検知装置が感知して警報を発します。流水検知装置には3種類あり、それぞれ構造が異なるため、写真を見て判別できるようにしておく必要があります。

湿式流水検知装置(アラーム弁)

最も一般的に使われるのが「湿式流水検知装置」、通称アラーム弁です。配管内に常時水(加圧水)が充填されている「湿式スプリンクラー設備」に使われます。

アラーム弁の特徴的な外観は、弁体(クラッパー)が中央に組み込まれた円形のバルブです。スプリンクラーヘッドが作動して下流側の水圧が下がると、クラッパーが開いて水が流れ、その流れが警報ポンプや水力警報装置を動作させます。弁体の側面にはリタード室(遅延装置)が付いていることが多く、水撃や一時的な圧力変動による誤作動を防ぐ役割を持ちます。

写真で見たとき、「円形のバルブ本体」と「側面についた小型のチャンバー(リタード室)」が見えれば湿式流水検知装置と判別できます。

乾式流水検知装置

「乾式スプリンクラー設備」に使われる流水検知装置です。寒冷地など、配管が凍結する恐れのある場所で使用します。ヘッドより下流側の配管には水ではなく圧縮空気が充填されています。ヘッドが作動すると空気が抜けて圧力差が生じ、乾式弁が開いて水が流れ込む仕組みです。

外観は湿式弁と似た構造ですが、乾式弁には空気の配管(空気補給弁など)が付いていることが多いです。「空気側と水側が明確に分かれている」ことが判別のポイントです。

予作動式流水検知装置

「予作動式スプリンクラー設備」に使われます。コンピューター室や美術館など、誤放水が特に困難な場所で採用されます。配管内は空気ですが、乾式と異なり「感知器の作動」というもう一つの条件が揃わないと弁が開きません。スプリンクラーヘッドが作動しただけでは放水されず、火災感知器の信号が入って初めて弁が開き、水が流れます。

外観は乾式弁に似ていますが、電磁弁や制御盤への配線が付いている点が外見上の特徴です。「配線が接続されている弁」というのが乾式との最大の違いです。

スプリンクラーヘッドの種類と色による温度の識別

スプリンクラーヘッドは鑑別試験で最もよく出る機器です。ヘッドの構造・種類・作動温度は確実に覚えておく必要があります。

感熱体による分類

ヘッドの感熱体には「ガラスバルブ型」と「ヒュージブルリンク型(フジブルリンク型)」があります。

ガラスバルブ型は、ガラス管の中に熱膨張する液体が封入されており、一定温度に達するとガラス管が破裂して放水する仕組みです。ガラス管の色が作動温度を示します。スプリンクラーヘッドの技術上の規格を定める省令(規格省令)に基づく色の対応は次のとおりです。57℃は橙色、68℃は赤色、79℃は黄色、93℃は緑色、121℃は青色、141℃は紫色、163℃以上は黒色です。

試験では「ガラスバルブが橙色のヘッドの作動温度は何度か」という問いが出ます。色と温度の対応は、室内で使われる一般的なヘッド(68℃・赤色)から覚え、橙色は57℃(赤より低い=より低温で作動)、黄色は79℃(赤より高い)と前後に展開して覚えると整理しやすいです。

ヒュージブルリンク型は、低融点合金(はんだに近い材質)でできたリンク(連結板)が感熱体です。一定温度で合金が溶けてリンクが外れ、放水します。外観はガラスバルブのようなガラス管はなく、金属板を組み合わせたリンク部品が見えます。「ガラスがなく金属の留め具がある」のが見分けのポイントです。

放水パターンによる分類

スプリンクラーヘッドは放水パターンでも分類されます。閉鎖型(ヘッドが閉じていて感熱体が作動すると開く)と開放型(常に開いていて、一斉開放弁の開閉で放水を制御する)があります。

閉鎖型は一般的なスプリンクラーで、作動したヘッドの周辺だけに放水します。開放型は舞台部・駐車場など、一度に広い面積に放水したい場所で使います。開放型は常に開いているため、感熱体がありません。外観で「感熱体(ガラスバルブや合金リンク)がない」ものは開放型と判断できます。

閉鎖型の設置向きによる分類として、上向き型(アップライト型)・下向き型(ペンダント型)・横向き型(サイドウォール型)があります。写真でフレームの向きやデフレクターの形状から設置向きを判別する問題が出ることがあります。

弁類の見分け方

第1類の鑑別では弁類(バルブ)の識別問題も出ます。特に「OS&Y弁」「バタフライ弁」「一斉開放弁」「末端試験弁」は名称と役割を覚えておく必要があります。

OS&Y弁(仕切弁・ゲート弁)

OS&Y(Outside Stem and Yoke)弁はゲート弁の一種で、スプリンクラー設備の制御弁として使われます。特徴はハンドルを回すとスピンドル(弁棒)が上下することで、開閉状態がスピンドルの出具合で外から確認できます。スピンドルが出ている(突き出ている)状態が「開」、引っ込んでいる状態が「閉」です。

試験では「スピンドルが引っ込んでいるとき弁は開いているか閉じているか」という問いに、「閉」と答えられるかを確認します。OS&Yは外観から状態がわかるため、消防設備では採用されやすい弁です。

バタフライ弁

バタフライ弁は円板状の弁体が回転することで流量を調整する弁です。コンパクトで操作が軽い特徴があります。ハンドルの向きが配管と平行のとき「開」、垂直のとき「閉」です。

一斉開放弁

開放型スプリンクラー設備の区画ごとに設置される弁で、感知器や手動操作によって一斉に開放します。舞台部や駐車場などで、ある区画のヘッドをまとめて作動させるために使います。電動式・加圧開放式・減圧開放式などの種類があります。

末端試験弁

スプリンクラー設備の配管の末端(最も遠い位置)に設置される弁で、流水検知装置が正常に動作するかどうかを確認するための弁です。末端試験弁を開くと水が流れ、流水検知装置が作動して警報が出るかどうかを確認できます。定期点検で使います。外観は通常の止水弁と似ていますが、「末端試験弁」という銘板が付いていることが多いです。

屋内消火栓の機器の見分け方

屋内消火栓設備では、消火栓箱・ホース・ノズルの識別問題が出ます。

1号消火栓の箱は大型で、65ミリメートル口径のホースが収納されています。2号消火栓は小型のリール(巻き取り式)ホースが収納されており、ホースが丸く巻かれた状態で収まっています。写真で「巻き取りリール」が見えれば2号消火栓と判断できます。

ノズル(管鎗)の形状も1号と2号で異なります。1号用は大型の管鎗(筒先)で、棒状放水と噴霧放水を切り替えられるものが多いです。2号用はリール式ホースに対応した小型のノズルです。

製図問題(甲種のみ)の概要

甲種第1類の製図問題は、スプリンクラー設備の系統図や平面図に関する問題です。系統図では配管の接続関係・弁の位置・ヘッドの数を読み取る問題が出ます。平面図では、部屋の形と天井高さからヘッドの必要個数を求める問題や、ヘッドの配置が適切かどうかを判断する問題が出ます。

製図の解答には計算が必要で、第1類の計算問題(ヘッド個数の計算・水源水量・ポンプ全揚程)と連動しています。製図の勉強は、まず系統図の部品の名称と役割を覚えてから、計算式と組み合わせる順序で進めると効率がよいです。

記事のまとめ

第1類の鑑別試験は「機器の名前と外観を一致させる」ことが基本です。流水検知装置3種(湿式・乾式・予作動式)の外観の違い、スプリンクラーヘッドのガラスバルブの色と作動温度、弁類の開閉の見分け方を中心に覚えておくと、実技試験の得点源になります。写真付きのテキストや消火設備メーカーのカタログで実際の外観を確認しながら勉強することをお勧めします。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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