「PFCを管理したいけど、自分の目標を何グラムにすればいいかわからない。」
ネットでは「体重×2gのタンパク質を摂れ」「脂質は20〜30%」という情報が飛び交っています。が、自分の体重・目標・活動量に合わせた数字を計算した人は意外と少ないです。
この記事では、PFCの目標グラムを自分で計算する手順を整理します。使う数字は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとにしています。
まず「1日の消費カロリー」を出す。
PFCのグラム数を決める前に、1日に消費するカロリーの目安を把握します。
基礎代謝量(BMR)の計算式
Harris-Benedict式(改定版)が広く使われています。
男性:66.47 + (13.75 × 体重kg) + (5.00 × 身長cm) − (6.76 × 年齢)
女性:655.1 + (9.563 × 体重kg) + (1.850 × 身長cm) − (4.676 × 年齢)
例:体重75kg・身長175cm・年齢35歳の男性の場合
66.47 + (13.75 × 75) + (5.00 × 175) − (6.76 × 35) = 約1,791 kcal
活動量で掛け算する(TDEE)
基礎代謝量に活動量の係数をかけた値が、総消費カロリー(TDEE: Total Daily Energy Expenditure)です。
| 活動レベル | 係数 | 目安 |
|---|---|---|
| ほぼ座りっぱなし | 1.2 | デスクワーク中心・運動なし |
| 軽い活動 | 1.375 | 週1〜3回の軽い運動 |
| 中程度の活動 | 1.55 | 週3〜5回の運動 |
| 激しい活動 | 1.725 | 週6〜7回のトレーニング |
| 非常に激しい活動 | 1.9 | 毎日2回練習・肉体労働 |
先ほどの例(基礎代謝約1,791 kcal)で、週3〜5回トレーニングをする場合:
1,791 × 1.55 = 約2,776 kcal(維持カロリー)
目標に合わせてカロリーを調整する。
維持カロリーがわかったら、目標(減量・維持・増量)に応じて増減します。
| 目標 | カロリー調整の目安 |
|---|---|
| 減量(ゆっくり) | 維持より250〜500 kcal減 |
| 減量(速く) | 維持より500〜750 kcal減 |
| 維持 | 維持カロリーと同じ |
| 増量(リーンバルク) | 維持より200〜300 kcal増 |
先ほどの例で「ゆっくり減量」する場合:
2,776 − 400 = 約2,376 kcal(目標カロリー)
PFCそれぞれのグラムを計算する。
目標カロリーが決まったら、それをPFCに分配します。1gあたりのカロリーは以下です。
- タンパク質(P):4 kcal/g
- 脂質(F):9 kcal/g
- 炭水化物(C):4 kcal/g
タンパク質の目標グラム
筋肉の維持・合成を目指すトレーニー向けの目安は、体重1kgあたり1.6〜2.2gです(Morton et al., 2018 / British Journal of Sports Medicine)。
体重75kgの場合:75 × 1.8 = 約135g(540 kcal分)
脂質の目標グラム
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」では、脂質エネルギー比率の目標量を20〜30%としています。
目標2,376 kcalの25%を脂質にする場合:
2,376 × 0.25 ÷ 9 = 約66g(594 kcal分)
炭水化物の目標グラム
残りのカロリーを炭水化物で埋めます。
2,376 − 540(タンパク質)− 594(脂質)= 1,242 kcal
1,242 ÷ 4 = 約311g
つまりこの例では:タンパク質135g・脂質66g・炭水化物311gが1日の目標になります。
「グラムで直接入力」する記録の重要性。
PFCの目標がわかっても、実際の食事と照らし合わせるには、毎日の記録が必要です。
多くの食事記録アプリは「カロリー」を中心に表示しますが、トレーニング目的の管理では「タンパク質が何グラム足りているか」「脂質を使いすぎていないか」をグラム単位で確認する方が実用的です。
市販品であれば食品成分表の数字を入力するだけですが、焼いたり茹でたりした後の重量変化も考慮する必要があります。鶏むね肉(皮なし)の場合、生100gを加熱すると約75〜80gに減り、同時に水分が飛んでタンパク質の密度が上がります。記録のタイミング(生の重量か、加熱後の重量か)を統一しておくことが大切です。
自分の数字でグラムを記録できるアプリ「グラム帳」
目標カロリー・タンパク質・脂質・炭水化物をグラムで直接入力して食事を記録できるWebアプリが「グラム帳」です。
2,538食品の成分表を内蔵しているので、食品名で検索して記録できます。食事ごとの積み上げと残量をリアルタイムで確認でき、1日の終わりに「タンパク質があと何g足りているか」がすぐわかります。
無料で使えます(目標セット2つ・食事記録・体重グラフ)。ブラウザで動き、インストールは不要です。
まとめ
- 1日の消費カロリー(TDEE)はHarris-Benedict式の基礎代謝 × 活動量係数で出す
- 目標に合わせて250〜500 kcal増減する(減量・維持・増量)
- タンパク質は体重1kgあたり1.6〜2.2g(約135g/体重75kgの場合)
- 脂質は総カロリーの20〜30%(約66g/目標2,376 kcalの25%)
- 炭水化物は残りのカロリーで割り出す(約311g)
- 記録はグラム単位で統一し、生か加熱後かを決めておく
(出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」/ Morton RW et al. (2018). A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. British Journal of Sports Medicine, 52(6), 376–384.)


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