「せっかく採用したのに、また辞めてしまった」。介護の現場を預かる方なら、一度は味わったことのある、つらい瞬間だと思います。
採用にはお金も時間もかかります。それなのに、入った人が続かない。この記事では、介護職が辞めていく本音と、長く働いてもらえる職場に共通していることを、確認しやすいようにまとめました。自分の職場に当てはまるところがないか、チェックしながら読んでみてください。
まず、現実:辞める人の多くは「早い」
最初に、知っておきたいデータがあります。厚生労働省の資料をもとにした解説によると、介護職を離職した人の約64%が、入職から3年以内に辞めており、そのうち約38%は1年未満で辞めているとされています(出典:介護ワーカーほか)。
つまり、辞める人の多くは「入って間もない時期」に辞めています。裏を返せば、最初の1〜3年をどう支えるかが、定着の分かれ目だということです。
辞める人の本音チェックリスト
まず、なぜ辞めるのか。よく挙げられる理由を並べます。自分の職場に、当てはまるものがないか確認してみてください(出典:Blanket、マイナビ介護職ほか)。
- 職場の人間関係(これが、離職理由でいちばん多いとされています)。コミュニケーション不足、摩擦、パワハラやいじめ、チームワークの欠如
- 給与・待遇への不満。仕事の大変さに、報酬が見合っていないと感じる
- 体力的・精神的な負担の大きさ
- 仕事内容へのギャップ(思っていた仕事と違った)
ここで注目したいのが、1位が「お金」ではなく「人間関係」だという点です。給与は、公定価格の仕組み上、一施設の努力だけで大きく上げるのは難しい。ですが、人間関係は、職場の取り組みで変えられます。ここに、打ち手があります。
長く働いてもらえる職場の、共通点チェックリスト
では、定着している職場は何をしているのか。共通点を、取り入れやすい順にまとめました。いくつ当てはまるか、数えてみてください(出典:豊中市介護保険事業者連絡会ほか)。
1. 「ありがとう」が自然に交わされている
業務連絡だけでなく、「ありがとう」「助かりました」という言葉が、日常的に飛び交っているか。こうした小さな声かけの積み重ねが、孤立を防ぎ、信頼関係を育てるとされています。お金のかからない、いちばん取り組みやすい打ち手です。
2. 「誰が教えても同じ」になる仕組みがある
新人教育が、教える人の”感覚”任せになっていないか。マニュアル、OJTシート、動画マニュアルなど、誰が教えても同じ成果になる仕組みが整った職場ほど、新人も指導者もストレスが少ないとされています。前半で見たとおり、辞める人は入って間もない時期に多い。だからこそ、最初の教育の仕組みが効きます。
3. 成長を実感できる道筋がある
等級制度やキャリアパス、資格取得の支援など、職員が「自分は成長している」と感じられる仕組みがあるか。先が見えないと、人は不安になります。道筋を示すことが、定着につながります。
4. 定期的に話を聞く場がある
定期的な面談など、不満やつまずきを、辞める前に拾える場があるか。多くの人は、限界まで我慢して、ある日突然「辞めます」と言います。その前に、小さな声を聞ける仕組みがあるかどうかで、防げる離職は大きく変わります。
数字が、それを裏づけています
こうした取り組みは、実際に成果を出しています。厚生労働大臣表彰の事例集では、ある施設で、過去6年間の常勤介護職員の離職率が0%という例も報告されています(出典:厚生労働省 令和5年度 取組事例集)。離職は「介護だから仕方ない」ものではなく、職場のつくり方で、変えられるということです。
採用と定着は、つながっています
最後に、採用のお話です。定着の話をしてきましたが、実は「どう採用するか」も、定着に直結します。
入ってから「思っていた仕事と違った」というギャップは、大きな離職理由の一つでした。ということは、採用の入口で、職場の本当の姿を正直に伝えておくことが、ミスマッチによる早期離職を防ぐことになります。良いことばかりを並べた求人で人を集めても、入ってからギャップで辞められては、また採用のやり直しです。
「ありがとうが飛び交う雰囲気」「教育の仕組み」「成長できる道筋」。定着している職場が持っているこうした強みは、そのまま、採用で選ばれる理由にもなります。それを、求職者にきちんと届けられているか。ここが、採用と定着をつなぐ鍵です。
私たちは、介護施設が「自分の職場の本当の魅力」を求職者に伝えるための、採用ページ(LP)制作をお手伝いしています。よければこちらもご覧ください。
まとめ
介護職の離職は、その多くが入職から3年以内に起きています。理由の1位は、お金ではなく人間関係。だからこそ、打ち手があります。「ありがとうが交わされる雰囲気」「誰が教えても同じになる教育」「成長の道筋」「話を聞く場」。この4つが揃っている職場は、長く働いてもらえます。そして、その強みは採用でも選ばれる理由になります。定着は、職場のつくり方で変えられます。
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※本文中のデータや取り組みは、記載した出典の内容・一般的な傾向です。離職率や効果は、施設の規模・地域・状況によって異なります。制度設計の際は、最新の公的情報もあわせてご確認ください。


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