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令和8年度(2026年度)のクレーン・デリック運転士学科試験では、関係法令からの出題が引き続き多く・クレーン知識では構造と安全装置、力学では計算問題が頻出です。過去3〜5年分の問題を分析した出題傾向と対策を解説します。
出典:安全衛生技術試験協会 クレーン・デリック運転士(限定なし)公表試験問題(令和7〜8年度)
試験の基本情報(令和8年度)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験方式 | 筆記(マークシート・5択) |
| 試験時間 | 2時間30分 |
| 問題数 | 40問(各科目10問) |
| 合格基準 | 総得点60%以上 かつ 各科目40%以上 |
| 試験地 | 全国7か所の安全衛生技術センター |
科目別の出題傾向
科目1:クレーン及びデリックに関する知識(10問)
クレーンの種類・構造・安全装置に関する知識を問う科目です。過去の公表問題では安定して出題されています。
頻出テーマ
- クレーンの種類と特徴:天井クレーン・橋形クレーン・移動式クレーン・デリックの構造上の違い
- 安全装置:過巻防止装置・過負荷防止装置・ブレーキの種類と機能
- ワイヤロープ:種類(ストランド数・素線数)・廃棄基準(素線断線10%以上等)
- シーブ・ドラム:構造と機能・ロープ溝の摩耗
- 電動機:三相誘導電動機の起動方式(スターデルタ起動・インバータ制御)
科目2:関係法令(10問)
クレーン等安全規則・労働安全衛生法の規定を問う科目です。過去の公表問題では安定して出題されています。
頻出テーマ
- 作業主任者:つり上げ荷重5t以上のクレーン作業(クレーン運転業務は主任者不要)
- 免許の種類と業務範囲:限定なし・クレーン限定・床上運転式の違い
- 設置届:30日前・所轄労働基準監督署長
- 定期自主検査:年次(1年以内ごと)・月次(1か月以内ごと)の実施と記録義務
- 過負荷の禁止:定格荷重超えの禁止(クレーン等安全規則第17条)
- 強風時の作業中止:瞬間風速10m/sを超えるおそれがあるとき(クレーン等安全規則第31条)
科目3:原動機及び電気に関する知識(10問)
電動機・ブレーキ・電気回路に関する知識を問います。
頻出テーマ
- 三相誘導電動機:回転数・滑り・回転方向(2線入れ替えで逆転)
- ブレーキの種類:電磁ブレーキ・ダイナミックブレーキ・回生ブレーキの違い
- スターデルタ起動:起動電流を1/3に抑える・大型モーターに使用
- インバータ制御:周波数を変えて速度を無段階制御
科目4:力学に関する知識(10問)
数値計算・図を使った問題が出題されます。公式を覚えてから演習することが必須です。
頻出テーマ
- モーメント計算:M = F × L・つり合い条件
- 吊り角度と張力:吊り角度90°で張力 = 荷重 × 0.707
- 速度と加速度:v = at・等加速度運動
- 圧力:P = F/A(単位面積あたりの力)
- 摩擦力:f = μN(摩擦係数×垂直抗力)
令和8年度の傾向と変化点
令和8年度の公表問題を分析すると、例年と同様の出題傾向が続いています。特に関係法令での条文の数値(30日前・40%以上・60%以上等)を確実に覚えることが得点につながります。過去公表問題では力学の計算問題は3〜5問程度出題されています。
科目別の勉強の優先順位
| 科目 | 難易度 | 勉強の優先度 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 関係法令 | 中 | 高 | 数値・条文番号を暗記 |
| クレーン知識 | 中 | 高 | 安全装置・構造を理解 |
| 原動機・電気 | 中〜高 | 中 | 電動機の動作原理を理解 |
| 力学 | 高 | 中 | 公式を覚えて計算演習 |
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本記事は安全衛生技術試験協会の公表試験問題(令和7〜8年度)に基づきます。試験の最新情報は安全衛生技術試験協会の公式サイト(https://www.exam.or.jp/)でご確認ください。
科目別の重要ポイントと数値(試験直前確認用)
クレーン知識:必須の数値・定義
| テーマ | 重要ポイント |
|---|---|
| ワイヤロープの廃棄基準 | 素線の数の10%以上が断線しているもの / 直径の減少が公称径の7%を超えるもの / 著しい形崩れ・腐食があるもの |
| 安全係数 | ワイヤロープ(玉掛け用):6以上 / フック・シャックル・リング等:5以上 / チェーン:4以上 |
| 過巻防止装置 | フックが一定位置に達すると巻き上げを自動停止させる装置。設置義務あり |
| 過負荷防止装置 | 定格荷重を超えた吊り上げを自動停止させる装置。つり上げ荷重3t以上の移動式クレーンに設置義務 |
| 三相誘導電動機の回転方向変更 | 3本の電源線のうち2本を入れ替えると逆回転になる |
関係法令:試験に出る条文の数値一覧
| 内容 | 数値・規定 | 根拠条文(クレーン等安全規則) |
|---|---|---|
| 設置届 | 設置工事開始30日前に所轄労基署長へ | 第5条 |
| 落成検査 | 設置完了後、所轄労基署長の検査を受ける | 第7条 |
| 年次定期自主検査 | 1年以内ごとに1回 | 第34条 |
| 月次定期自主検査 | 1か月以内ごとに1回 | 第35条 |
| 強風時の作業中止 | 瞬間風速10m/s超えのおそれがあるとき | 第31条 |
| 過負荷の禁止 | 定格荷重を超える吊り上げ禁止 | 第17条 |
| 作業主任者 | つり上げ荷重5t以上のクレーン作業 | (労働安全衛生規則第128条) |
| クレーン検査証の有効期間 | 2年 | 第11条 |
原動機・電気:頻出の計算と原理
| テーマ | 重要ポイント |
|---|---|
| スターデルタ起動 | 起動時の電流を1/3に抑える(トルクも1/3になる)。大型モーターの始動方式 |
| インバータ制御 | 周波数を変えることで回転数を無段階調節できる。省エネ効果もある |
| 電磁ブレーキ | 電流が切れると(停電・電源オフ)バネの力でブレーキが効く「フェイルセーフ型」 |
| ダイナミックブレーキ | 電動機を発電機として使い、生じた電力を抵抗で熱に変えてブレーキをかける |
力学:計算で落とさない公式リスト
| 公式 | 用途 | 例 |
|---|---|---|
| M = F × L | モーメント(回転力) | 支点から2mで10kNの力 → M = 20kN・m |
| T = W / (2 cos(θ/2)) | 2本吊りの張力(θ:吊り角度) | 吊り角度90°・荷重10kN → T ≒ 7.07kN |
| P = F / A | 圧力 | 面積0.5m²に10kN → P = 20kN/m² |
| v = a × t | 等加速度運動の速度 | 加速度2m/s²で5秒 → v = 10m/s |
受験者が間違えやすいポイント
- 「作業主任者」と「クレーン運転士」の混同:つり上げ荷重5t以上のクレーン作業には「クレーン運転業務の就業制限」と「クレーン作業主任者の選任」の両方の規定があります。運転士免許(就業制限)と作業主任者(選任義務)は別の制度です
- フックとワイヤロープの安全係数の混同:ワイヤロープ6以上、フック等5以上、チェーン4以上の順番を間違えないように
- 設置届の「30日前」:落成検査(設置後)と設置届(設置前30日)を混同しないように
- 定期自主検査の記録義務:年次・月次とも実施後に記録し、3年間保存する義務がある
直前期(試験2週間前〜1週間前)の対策
残り2週間を切ったら、次の手順で仕上げます。
- 模擬試験形式で過去問を解く:公表問題1回分(40問・150分)を通して解き、科目別の正答率を確認する
- 足切り科目がないかチェックする:各科目40%(4問/10問)を下回っている科目を特定する
- 弱点科目の集中補強:残りの時間を弱点科目に集中的に使う。苦手科目で足切りになると他の科目が高得点でも不合格になる
- 数値・条文番号の最終確認:「30日前・1年・2年・5t・10m/s・40%・60%」などの数値をまとめて最終確認する
令和8年度 科目別の重点対策(直前1か月)
クレーン知識:直前に確認すべき頻出テーマ5選
- ワイヤロープの廃棄基準:素線断線10%以上・直径減少7%超・著しい形崩れ
- 安全装置の名前と機能:過巻防止装置・過負荷防止装置・逸走防止装置・アネモメーター
- ブレーキの種類と特徴:電磁ブレーキ(停電時フェイルセーフ)・ダイナミックブレーキ・回生ブレーキ
- デリックの種類:スチフレッグ(旋回制限)・ガイデリック(全周旋回)・ジンポール(最シンプル)・クライミング(高層建設)
- シーブの機能:方向変換・力の分散。動滑車で引く力を軽減(引く距離は増加)
関係法令:直前に確認すべき数値7選
- 設置届:30日前
- 年次定期自主検査:1年以内ごと1回
- 月次定期自主検査:1か月以内ごと1回
- 強風時作業中止:瞬間風速10m/s超えのおそれがあるとき
- 作業主任者(クレーン):つり上げ荷重5t以上
- クレーン検査証有効期間:2年
- 合格基準:各科目40%以上かつ総得点60%以上
試験でよく出る「誤りの選択肢」パターン
試験は五肢択一です。誤りの選択肢がどのような形で出るかを知っておくと、引っかかりにくくなります。
| 誤りのパターン | 正しい内容 |
|---|---|
| 「設置届は工事完了後に提出する」 | 工事開始30日前(完了後は落成検査) |
| 「過巻防止装置は設置義務がない」 | 設置義務あり |
| 「フックの安全係数は6以上」 | 5以上(6以上はワイヤロープ) |
| 「ガイデリックは旋回範囲が制限される」 | 全周旋回可能(制限があるのはスチフレッグ) |
| 「スターデルタ起動は起動電流を1/2に抑える」 | 1/3に抑える |
試験当日のポイント
- 問題用紙が配られたら、まず全問を見渡して力学の計算問題の数を確認する
- わからない問題は飛ばして、確実に解ける問題から解答する
- 関係法令の数値問題は条文の数値を思い出すことに集中する
- 力学の計算問題は丁寧に計算し、単位に注意する
- 試験終了10分前に全問のマークを見直す
過去問3回分の比較分析(令和7〜8年度)
本アプリに収録されている令和7〜8年度の3回分の公表問題を科目ごとに分析すると、次のような傾向が見られます。
クレーン知識の3回分での出題分布
| テーマ | 3回中の出題回数目安 |
|---|---|
| 安全装置(過巻・過負荷・ブレーキ) | 毎回複数問 |
| ワイヤロープの種類・廃棄基準 | 毎回1〜2問 |
| クレーンの種類と構造 | 毎回1〜3問 |
| デリックの種類 | 1〜2回(1問程度) |
| 電動機(三相誘導)・ブレーキの構造 | 毎回1〜2問 |
関係法令の3回分での出題分布
| テーマ | 3回中の出題回数目安 |
|---|---|
| 定期自主検査(年次・月次) | 毎回1〜2問 |
| 設置届・落成検査 | 毎回1問程度 |
| 就業制限・作業主任者 | 毎回1問程度 |
| 過負荷の禁止・強風時中止 | 毎回1問程度 |
| 免許の種類と業務範囲 | 1〜2回(1問程度) |
令和9年度に向けた対策のポイント
令和9年度(2027年度)の試験に向けた対策としても、令和8年度の傾向は引き続き参考になります。試験問題は毎年更新されますが、クレーン等安全規則の内容が変わらない限り、出題テーマの大枠は継続します。
- 法令改正があった場合はテキストの最新版を確認する
- 安全衛生技術試験協会が新しい公表問題を発表したら、その年の傾向を追加分析する
- 基本の「安全係数・廃棄基準・定期自主検査・強風基準」などの数値は不変の頻出テーマ
試験当日のタイムスケジュールと準備
安全衛生技術センターでの試験は、センターごとに試験開始時刻が異なります。試験当日は余裕をもって移動できるよう、前日に交通手段・所要時間を確認しておきましょう。
試験当日の流れ(例)
- 試験開始30分前を目安に受付
- 受験番号・席を確認
- 試験説明・注意事項の確認
- 試験(150分)
- 試験終了・解散
合格発表と合格通知書の受け取り
合格発表は試験センターの掲示板と安全衛生技術試験協会の公式サイトで確認できます。合格者には後日、郵便で合格通知書が届きます。この合格通知書は免許申請の必須書類です。受け取ったら大切に保管してください。
令和8年度試験に向けた最終まとめ
令和8年度試験の特徴をひとことで表すと、「過去問・公表問題を繰り返した受験者が有利な試験」です。新問題も出ますが、出題テーマの枠組みは安定しています。出題傾向を把握した上で、弱点科目を重点的に強化することが合格への近道です。
特に以下の4点を直前に確認することをおすすめします。
- 安全係数の数値(ワイヤロープ6・フック等5・チェーン4)
- 設置届・定期自主検査の日数(30日前・1年・1か月)
- 合格基準(各科目40%・総得点60%)
- 力学の主要公式(M=F×L・2本吊り張力)
試験前夜〜当日の過ごし方
試験前夜は詰め込み学習をせず、これまでの学習内容の最終確認だけにとどめて早めに就寝しましょう。睡眠不足は判断力・計算力の低下につながり、力学の計算問題での失点や、知っているはずの数値の見落としに直結します。
試験当日の朝は、関係法令の数値(30日前・年次1年・月次1か月・強風10m/s・合格基準40%/60%)と力学の主要公式(M=F×L・安全係数の計算式)を一覧メモで確認するだけで十分です。会場では試験開始前の待機時間にも落ち着いて最終確認ができます。
試験は5択問題です。わからない問題でも何かしらマークすることで正解する可能性があります。空白で提出しないよう、最後の見直し時間でマークの確認をしてください。

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