消防設備士 甲種第3類(以下、甲3)の工事では、高圧のCO2または各種消火薬剤が通る配管を設置します。配管材料は「消防法施行規則第19条(不活性ガス消火設備)・第20条(粉末消火設備)」が定める材質・肉厚・接続方法の基準を満たすものを使用します。工事完了後には耐圧試験(水圧試験または気圧試験)を行い、漏れ・変形がないことを確認します。
この記事では、甲3の工事で使う配管材料・耐圧試験の基準・設置上の注意点を整理します。
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配管材料の要件
甲3の対象設備(CO2・ハロゲン化物・粉末消火設備)の配管には、各設備の最高使用圧力に耐える材質・肉厚が必要です。消防法施行規則で定める配管材料の条件は次のとおりです。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 材質 | JIS規格に適合する炭素鋼鋼管(JIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管 Sch40またはSch80以上)またはこれと同等以上の強度・耐食性を持つ配管材 |
| 肉厚 | 最高使用圧力に応じて十分な肉厚を持つこと(消防法施行規則で規定) |
| 接続方法 | ねじ継手・溶接継手・フランジ継手など気密性の確保できる接続方法を使用する |
| 腐食対策 | 亜鉛メッキ・塗装等で腐食を防止する措置を講じること |
設備種別ごとの配管圧力の違い
甲3が担当する3種類の設備では、配管にかかる最高使用圧力が異なります。
| 設備の種類 | 配管にかかる圧力の特徴 |
|---|---|
| CO2消火設備(高圧式) | 高圧式は容器内のCO2が液化状態で保管(約5〜6MPa)。配管の設計圧力が最も高い |
| CO2消火設備(低圧式) | −18℃以下の冷却状態で保管(約2.1MPa)。高圧式より設計圧力が低い |
| ハロゲン化物消火設備 | HFC系は設計圧力が比較的低め |
| 粉末消火設備 | 蓄圧式は窒素ガスで加圧(比較的低圧)・加圧式は放出時に加圧用ガス容器を開放 |
CO2消火設備(高圧式)は圧力が最も高いため、使用する配管材の強度・肉厚の基準が厳しくなります。
耐圧試験の種類と目的
配管工事が完了したら耐圧試験を行い、配管系統全体の漏れ・変形の有無を確認します。甲3の工事(着工届提出後の施工)では、消防検査前に耐圧試験を行います。
| 試験の種類 | 内容 | 判定基準 |
|---|---|---|
| 水圧試験 | 配管内に水を満たして最高使用圧力の1.5倍以上の圧力を加える | 5分間以上保持して漏れ・変形・破損がないこと |
| 気圧試験 | 配管内に空気・窒素ガスを入れて加圧する(水圧試験が困難な場合に使用) | 漏れ・変形・破損がないこと |
水圧試験が原則ですが、配管の形状や設置状況によって水を充満させるのが難しい場合は気圧試験を行います。気圧試験は圧力破裂時の危険が大きいため、安全措置を講じて実施します。
配管の固定・支持の基準
配管の固定は、地震・振動・熱膨張による配管の移動や破損を防ぐために重要です。
- 配管は適切な間隔でハンガー・クランプ等で支持・固定する
- 曲がり部・分岐部・弁の近くには追加の固定金具を設ける
- 床・壁等の貫通部はスリーブを使用し、貫通部での配管の損傷を防ぐ
- 防護区画への貫通部は防火区画として密閉する措置が必要(防護区画の密閉性確保)
配管設置時の甲3工事での注意点
- 着工届は工事開始10日前までに消防長(消防署長)に提出する(消防法第17条の14)
- 工事完了後4日以内に設置届を提出する(消防法第17条の3の2)
- 耐圧試験は消防検査前に実施し、試験結果を記録して保存する
- 配管接続部は溶接またはねじ接続後に外観検査を行い、仕上がりを確認する
配管に関する筆記・実技の出題ポイント
- 「CO2消火設備(高圧式)の配管に使用できる材質の条件は何か」→ 最高使用圧力に耐える強度・肉厚を持つJIS規格の配管
- 「耐圧試験(水圧試験)で配管にかける圧力は最高使用圧力の何倍か」→ 1.5倍以上
- 「配管の防護区画貫通部に求められる措置は何か」→ 防火区画の密閉措置(防護区画の気密性確保)
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出典:消防法施行規則第19条(不活性ガス消火設備に関する基準)・第20条(粉末消火設備に関する基準)・消防法第17条の14(着工届)。
作成日:2026年11月5日

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