「Googleマップの順位が上がったら、その分だけお支払いください」
そう言われたら、悪くない話に聞こえます。
上がらなければ払わなくていい。ノーリスクに見えます。
でも、この「成果報酬型」のMEO対策には、契約する前に知っておいてほしい仕組みがあります。
今日は、その仕組みと、業者選びで見るべきポイントを、比較表とチェックリストでまとめます。
なぜ、こんな話をするのか
私たちは、清掃業や遺品整理業を中心に、50社以上のお店のGoogleマップの表示状況を診断してきました。
その中で何度か聞いたのが、「以前、MEO業者に頼んだことがあるけれど、正直よくわからないまま終わった」という声です。
契約した理由を聞くと、多くの場合「成果報酬だから、ダメ元で」というものでした。
成果報酬という言葉には、「損はしない」という安心感があります。
ですが、話をよく聞いていくと、その「成果」の中身に、少し引っかかる点があることに気づきました。
この記事では、業者を一律に否定するつもりはありません。
ただ、契約する前に知っておくと、判断を間違えにくくなる仕組みがあるので、それを共有できればと思います。
まず知ってほしい、順位の「測り方」の問題
成果報酬の話をする前に、大前提を1つ確認させてください。
Googleマップの検索順位は、検索する人がどこにいるか、どんな端末を使っているか、いつ検索したかによって変わります。
私たちが実際にお店の診断をするときも、同じキーワードで検索しているのに、検索する場所を少し変えるだけで順位が入れ替わることを何度も確認しています。
たとえば、駅の東口を基準にした場合と、西口を基準にした場合とで、同じ「駅名+業種」というキーワードでも、表示される順番が変わることがあります。
そのため診断のときは、地図上で座標を指定して検索する方法を使い、「どの場所を基準にした順位か」を必ず明記するようにしています。
つまり、「順位〇位です」という数字は、測る条件によって変わる、幅のあるものだということです。
この、あいまいさを含んだ「順位」という数字を、料金の基準にしてしまうと、何が起こるでしょうか。
この前提を踏まえて、成果報酬型の仕組みを見ていきます。
成果報酬型MEOの、よくある仕組み
成果報酬型をうたう業者の多くは、次のような形で契約を進めます。
- いくつかのキーワードを、業者側が決める
- そのキーワードで、決めた順位(3位以内など)に入ったら日額料金が発生する
- 1ヶ月分をまとめて請求される
ここで注意したいのが、「どのキーワードを選ぶか」は業者側が決めるという点です。
たとえば「渋谷 美容室」のような、多くのお店が競い合う言葉ではなく、「渋谷 メンズパーマ 個室 駅近」のように、条件を何重にも重ねた、検索する人がほとんどいないような言葉が選ばれることがあります。
清掃業や遺品整理業でも、同じことは起こり得ます。
「〇〇市 ハウスクリーニング」のような、実際にお客様が検索する自然な言葉ではなく、地名や条件をいくつも重ねすぎて、ほとんど誰も検索しないような言葉が対象になっていないか。
契約前に、対象キーワードを実際に自分で検索してみて、そのキーワードで検索する人がどれくらいいそうか、想像してみることをおすすめします。
競争するお店が少ない言葉であれば、上位に入ること自体はそれほど難しくありません。
「成果」を出しやすい言葉を選んで、その「成果」に対して料金を請求する。
仕組みとしては、そういうことが起こり得ます。
1つのキーワードで日額500円だとしても、30日でおよそ15,000円になります。
これを3つのキーワードで契約すれば、月4万円を超える計算です。
その金額に見合うだけの、実際の問い合わせや来店につながっているかどうかを、冷静に見る必要があります。
「成果」の中身を、もう少し具体的に考えてみる
ここで、少し立場を変えて考えてみます。
もし自分が業者の立場だったら、どうすれば「成果」を出しやすいでしょうか。
答えはシンプルで、できるだけ検索する人が少なく、競争相手も少ないキーワードを選ぶことです。
検索する人がほとんどいないキーワードなら、少しの工夫で上位に表示させることは、それほど難しくありません。
問題は、検索する人がほとんどいないキーワードで上位に表示されても、実際の問い合わせにはほとんどつながらない、という点です。
「順位が上がった」という事実と、「お客様が増えた」という事実は、本来イコールではありません。
成果報酬という仕組みは、この2つを同じもののように見せてしまう場合がある、ということを知っておいていただきたいのです。
ひと目でわかる比較表
| 成果報酬型(要注意なケース) | 信頼できる業者の一般的な姿勢 | |
|---|---|---|
| 順位の約束 | 「〇位以内になったら課金」と、順位そのものを商品にする | 「順位はお約束できません」と、最初に伝える |
| キーワードの決め方 | 業者側が一方的に選ぶ。検索される見込みの少ない言葉が混ざりやすい | お店の実際のお客様が使いそうな言葉を、一緒に相談して決める |
| やっていること | 中身が見えにくい(順位を上げる作業、としか説明されない) | プロフィールの設定・写真・投稿・口コミ対応など、やった作業が具体的にわかる |
| 問い合わせや来店との関係 | 順位の話しか出てこない | 最終的な目的(問い合わせ・来店)にどうつながったかを一緒に見る |
契約前にチェックしたい5つのサイン
次のようなことを言われたら、一度立ち止まって考えてみてください。
チェック1:「順位を保証します」と言っている
ここまで説明したとおり、順位は検索条件によって変わるものです。
外部の業者が、Googleの検索結果を確実にコントロールすることはできません。
「保証」という言葉を使う業者には、慎重になった方がよいと思います。
チェック2:対象キーワードが、やけに細かい
「〇〇駅」「〇〇通り」「個室」「駐車場あり」など、条件がいくつも重なった、長いキーワードを提案されたら、少し立ち止まってみてください。
そのキーワードで、実際に検索する人がどれくらいいそうか。
成果が出やすい言葉を選んでいるだけ、という可能性もあります。
チェック3:口コミを増やす方法が、あいまい
「口コミもこちらで増やしておきます」というとき、その方法を具体的に聞いてみてください。
お客様に自然にお願いする形なら問題ありませんが、金券や割引と引き換えに投稿をお願いする、という方法はGoogleの利用規約に違反します。
2023年10月からは、広告であることを隠した宣伝行為を規制する、いわゆる「ステマ規制」(景品表示法にもとづく規制)も始まっています。
規約違反が見つかった場合、口コミの削除やプロフィールの停止といった措置につながることがあります。
チェック4:投稿の中身を見せてもらえない、または毎回同じような文面
Googleは、そのお店ならではの、具体的で新しい情報を評価するとされています。
テンプレートを流し込むだけの定型文や、AIで自動生成しただけの投稿は、かえって評価されにくい可能性があります。
実際に投稿された内容を見せてもらい、その日そのお店で起きた具体的なことが書かれているかを確認してみてください。
チェック5:順位チェックツールの数字だけで報告してくる
「このツールで計測した結果、〇位に上がりました」という報告だけで、実際の問い合わせや来店の話が出てこない場合は注意が必要です。
順位はあくまで通過点で、最終的に大事なのは、そこからお客様に選んでもらえたかどうかです。
また、このツールで表示される順位も、先ほどお伝えしたとおり、どの場所・どの端末を基準にしているかで変わります。
ツールがどの条件で計測しているのかを聞いてみて、あいまいな答えしか返ってこない場合は、その数字の信頼性を一度疑ってみてください。
もし今、業者と契約している方へ
「もう契約してしまった」という方もいらっしゃると思います。
その場合、慌てて解約する前に、次の3つを確認してみてください。
- 今の契約内容を、もう一度読み直す。何に対して料金が発生しているのか(順位なのか、作業なのか)を確認します。
- これまでの投稿内容を見せてもらう。テンプレートの使い回しではなく、お店ならではの内容になっているかを確認します。
- 問い合わせや来店の数字を、一緒に振り返る。順位の話だけでなく、実際の成果について質問してみてください。
誠実に対応している業者であれば、こうした質問にきちんと答えてくれるはずです。
逆に、質問をはぐらかされたり、専門用語で丸め込まれたりするようであれば、契約を見直すタイミングかもしれません。
豆知識:評価の高さは、比較サイトによって意味が違う
少し話がそれますが、知っておくと役立つ話をひとつ。
「食べログでは評価が普通なのに、Googleマップでは評価がとても高い」というお店を見たことはありませんか。
これは、評価のつき方の違いによるものと考えられます。
食べログのような一部の比較サイトでは、投稿する人の信頼度(投稿数や内容の質など)によって、評価の重みづけが変わる仕組みがあるとされています。
一方でGoogleマップは、基本的にすべての口コミを同じ重みで平均する仕組みです。
そのため、少人数からの高評価でも、Googleマップ側のスコアは上がりやすい傾向があります。
「評価が高い=絶対に安心」と単純に受け取るのではなく、口コミの件数や内容もあわせて見ることをおすすめします。
逆に、業者に頼む価値がある場面もあります
ここまで注意点ばかりお伝えしてきましたが、誤解のないように付け加えます。
Googleビジネスプロフィールの設定や、日々の投稿は、多くの場合、お店の方が自分で対応できる作業です。
実際、この記事を読んでいるだけでも、基本の設定や投稿のポイントは押さえられると思います。
ただ、次のような場合は、外部に頼る価値があると私は思います。
- スマホやパソコンの操作そのものに、あまり慣れていない
- 現場の仕事だけで手一杯で、投稿や口コミ対応にまったく時間が取れない
- 複数の店舗を展開していて、情報発信を一括で管理したい
大事なのは、「順位を約束できるかどうか」ではなく、「今のお店の状態を整えて、続けていく手間を代わりに引き受けてくれるかどうか」で選ぶことだと思います。
比較サイトの評価とあわせて、口コミの中身も見てほしい理由
もう1つ、豆知識に近い話ですが、業者選びにも通じる話なので触れておきます。
Googleマップで評価を見るとき、多くの人は星の数と件数を見て判断します。
ですが、星の数と件数だけでなく、口コミの本文まで読むと、それだけでは見えないことがわかる場合があります。
たとえば、星は高いのに件数が極端に少ないお店。
その1件の口コミの中身が「いつもお願いしています」というような、常連のお客様らしい内容であれば、実力は十分にあるのに、その記録がオンライン上にまだ十分残っていないだけ、というケースが考えられます。
逆に、件数は多いのに、内容が似たような短い文面ばかりというお店もあります。
これも断定はできませんが、口コミの集め方に何らかの工夫(依頼のタイミングや文面の統一など)がある可能性を考えてみてもよいかもしれません。
星の数だけを見て判断するのではなく、いくつかの口コミの本文に目を通してみる。
これは、お客様がお店を選ぶときにも、お店がMEO業者を選ぶときにも、同じように役立つ視点だと思います。
よくある質問
Q. 成果報酬型は、全部やめた方がいいのでしょうか。
A. すべてが問題のある業者だとは限りません。
ただ、この記事で紹介したチェックポイント(対象キーワードの選び方・作業内容の透明性など)を確認したうえで、納得できる場合に契約することをおすすめします。「損はしないから」という理由だけで判断するのは避けた方がよいと思います。
Q. 固定料金の業者なら安心ですか。
A. 料金体系が固定か成果報酬かということより、「何をしてくれるのか」が具体的かどうかの方が大事です。
固定料金でも、中身が曖昧なまま高額な料金を請求する業者は存在します。逆に、成果報酬でも誠実に運用してくれる業者もいるかもしれません。料金の形ではなく、作業内容の透明性で判断してください。
Q. すでに順位保証で契約してしまいました。今からできることはありますか。
A. まずは契約内容を確認し、次の更新のタイミングで見直しを検討することをおすすめします。
途中解約の条件(違約金の有無など)も、契約書や利用規約で確認しておくと安心です。
Q. 自分で見分ける自信がありません。何を基準に相談すればいいですか。
A. 難しく考えなくて大丈夫です。
「順位を保証しますか」「対象のキーワードを教えてください」「口コミはどうやって増やしますか」という3つの質問をしてみてください。
この3つに、具体的かつ正直に答えてくれる相手であれば、信頼できる可能性が高いと思います。
逆に、質問に対してあいまいな返事しか返ってこない、あるいは「とにかくお任せください」としか言わない場合は、少し慎重になった方がよいかもしれません。
まとめ
- Googleマップの順位は検索条件で変わるため、外部の業者が確実に約束することはできない
- 成果報酬型の中には、検索されにくいニッチなキーワードで「成果」を演出しやすい仕組みのものがある
- 契約前は、順位の保証・キーワードの選び方・口コミの集め方・投稿の中身・報告内容の5点を確認する
- 評価の高さは比較サイトによって意味合いが異なる。件数や中身もあわせて見る
- 本当に頼るべきは「順位の約束」ではなく「日々の手間を引き受けてくれるか」
Googleマップの集客は、正しい知識があれば、多くのお店が自分たちの手で改善できるものです。
それでも難しいと感じたときは、まず「今、自分の店がどう見えているか」を知ることから始めてみてください。
順位という数字に振り回されるより、お客様がどんな言葉で検索し、どんな情報を見て問い合わせを決めているのか。
そこに向き合うことの方が、遠回りに見えて、実は一番確実な近道だと私は思っています。
【お知らせ】自分のお店の状態を知りたい方へ
fufumumu_designでは、Googleマップ上で公開されている情報をもとに、お店の表示状況を1枚のレポートにまとめる無料診断を行っています。
表示順位、口コミへの返信状況、写真の枚数など、今の状態を具体的にお伝えします。
順位を保証することはしません。
そのかわり、今できることを、優先度の高い順に、正直にお伝えします。
実際のレポートのサンプルはこちらでご覧いただけます。
→ 無料診断レポートのサンプルを見る
気になる方は、お問い合わせフォームから「診断希望」とだけお送りください。

コメント