「Googleマップで検索してみたら、自分のお店が出てこなかった」
そんな経験はありませんか。
私はこの夏、清掃業や遺品整理業を中心に、50社以上の地域のお店がGoogleマップでどう表示されているかを調べてきました。
そこで分かったのは、意外な事実です。
技術があって、お客様からの評判も良いお店ほど、なぜか地図に出てこないことが、めずらしくないのです。
逆に言えば、仕事の腕とは関係のないところで、損をしているお店がたくさんあるということです。
この記事では、「なぜ出てこないのか」を症状別に切り分けて、原因の見つけ方と直し方を順番に説明します。
専門の業者に頼まなくても、自分で確認できる内容だけをまとめました。
お客様は、地図で比べてから連絡してきます
本題の前に、ひとつだけ前提の話をさせてください。
いま、お店やサービスを探すお客様の多くは、スマホの地図で検索します。
「ハウスクリーニング」「遺品整理」といった言葉と地域名で検索して、出てきたお店を上から見ていきます。
星の数はいくつか。口コミには何が書いてあるか。写真はあるか。
そうやって2〜3軒を見比べてから、良さそうなところに連絡します。
私は営業の仕事を20年してきましたが、これは営業の世界で言う「相見積もり」が、お客様のスマホの中で自動的に行われているようなものです。
つまり、地図に出てこないお店は、比べる土俵にすら上がれていないことになります。
お客様に断られているのではありません。存在を知られていないのです。
では、なぜ出てこないのか。症状別に見ていきましょう。
まず、この2つの検索を試してください
原因を切り分けるために、スマホかパソコンで次の2つを検索してみてください。
- 自分の店名で検索する(例:「〇〇クリーニング」など、実際の屋号で)
- 「地域名+業種」で検索する(例:「吹田市 ハウスクリーニング」「新潟市 遺品整理」)
この2つの結果の組み合わせで、原因がだいたい絞り込めます。
- 店名でも出てこない → ケース1へ
- 店名では出るが、「地域名+業種」では出てこない → ケース2へ
- どちらでも出るが、順位がずっと下の方 → ケース3へ
ケース1:店名で検索しても出てこない
店名で検索しても地図に出てこない場合、考えられる原因はシンプルです。
Googleビジネスプロフィールが、まだ登録されていない可能性が高いです。
Googleビジネスプロフィールというのは、Googleマップにお店の情報(店名・場所・営業時間・写真・口コミなど)を表示するための仕組みです。
Googleが無料で提供していて、登録にお金は一切かかりません。
「そんなの登録した覚えがない」という方も多いと思います。
実際、私が調べた中には、くらしのマーケットなどの紹介サイトでは何百件も実績があるのに、Googleマップにはまったく表示されないお店がいくつもありました。
紹介サイト経由の仕事が中心だと、Googleマップまで手が回らないのは自然なことです。
ただ、紹介サイトは手数料がかかります。地図経由の問い合わせは手数料ゼロです。
登録が無料であることを考えると、やらない理由は見当たりません。
直し方:Googleで「Googleビジネスプロフィール」と検索すると、Google公式の登録ページが出てきます。店名・住所・業種・営業時間を入力して、Googleからの確認(ハガキや電話など)を済ませれば、地図に表示されるようになります。
ケース2:店名では出るのに、「地域名+業種」では出てこない
実は、今回いちばんお伝えしたいのがこのケースです。
調べていて、いちばん「もったいない」と感じることが多かったからです。
店名で検索すれば、ちゃんと出てくる。
つまりGoogleマップにお店は載っています。
それなのに、「地域名+業種」で検索すると、何度スクロールしても出てこない。
この場合にまず疑うべきなのは、プロフィールの「カテゴリ」設定です。
Googleビジネスプロフィールには、「このお店は何のお店か」を示すカテゴリという項目があります。
ハウスクリーニング業、遺品整理業、便利屋、といった分類です。
ここが実際の仕事内容と合っていないと、Googleは「このお店は遺品整理のお店だ」と認識できません。
結果として、「遺品整理」と検索したお客様の画面に出てこなくなります。
これまでの診断の中で、何度か見てきたパターンがあります。
長年の実績があり、他のサービスも手広く手がけているお店なのに、カテゴリが「店舗」のような大まかな設定のままになっていて、「地域名+遺品整理」のような具体的な検索結果には一度も出てこない、というケースです。
積み上げてきた信頼も、確かな技術も、検索したお客様には届いていなかったのです。
原因は、たった一つの設定項目だったりします。
直し方:Googleビジネスプロフィールの管理画面から、カテゴリを実際の業種に合わせて設定し直します。カテゴリは複数設定できるので、「遺品整理業」をメインに、「ハウスクリーニング業」「リサイクルショップ」などを追加する形も可能です。
あわせて、営業時間が未設定になっていないかも確認してください。
営業時間が空欄だと、お客様が「今やっているのか分からない」と不安になるだけでなく、訪ねて来られたお客様との行き違いも起きやすくなります。
ケース3:出てはいるけれど、順位がずっと下
登録もカテゴリも問題ないのに、検索結果のかなり下の方にしか出てこない。
これが3つ目のケースです。
ここで、Googleが公式に発表している「ローカル検索の順位の決まり方」を紹介します。
Googleのヘルプページ(「ローカル検索結果のランキングを改善する」)によると、順位は主に次の3つの組み合わせで決まるとされています。
- 関連性:検索された言葉と、お店の情報がどれだけ合っているか
- 距離:検索した人の場所から、お店までの近さ
- 知名度:どれだけ広く知られているか(口コミの数や評価なども影響するとされています)
このうち、「距離」は動かせません。お店の場所は変えられないからです。
「関連性」は、ケース2で説明したカテゴリや情報の充実で改善できます。
残る「知名度」にあたる部分が、自分の手で積み上げられる、いちばん大きな伸びしろです。
具体的には、口コミの数と新しさ、写真の充実、情報の更新頻度です。
参考になる海外の調査もあります。
海外の調査会社BrightLocalの報告では、写真が充実している店舗はそうでない店舗より問い合わせが大幅に多いという結果が出ています。
また、口コミ管理ツールを提供するEmbedSocialの掲載データでは、低い評価の口コミでもお店側が丁寧に返信すると、それを見た消費者の約7割がお店への見方を改めるという調査が紹介されています。
数字はあくまで海外の調査によるものですが、「写真と口コミへの向き合い方が見られている」という方向性は、日本でも変わらないと私は感じています。
今日からできることを、優先度順に並べます
ここまでの内容を、実際にやる順番でまとめます。
上から順に、できるところまでで大丈夫です。
- オーナー確認を済ませる
自分のお店のプロフィールに「ビジネスオーナーですか?」という表示が出ていたら、まだ誰も管理していない状態です。まずここから始めてください。管理権限がないと、この先の設定が何もできません。 - カテゴリを実際の業種に合わせる
ケース2で説明したとおりです。効果に対して作業が軽い、優先度の高い項目です。 - 営業時間・電話番号・ウェブサイトを埋める
空欄はお客様の不安のもとです。電話番号が複数ある場合は、どれか一本に揃えると親切です。 - 写真を追加する
作業前後の写真、道具、お店の外観。スマホで撮ったもので十分です。お客様は「どんな人が、どんな仕事をするのか」を見たがっています。 - 口コミに返信する
すでにもらっている口コミへの返信は、書いてくれたお客様だけでなく、これから頼もうか迷っている未来のお客様への「見せる接客」になります。高評価の口コミへのお礼なら数分で書けます。
余裕が出てきたら:「最新情報」の投稿を続ける
ここまでの5つが整ったら、次の一手として「投稿」機能があります。
Googleビジネスプロフィールには、お店からのお知らせを発信できる「最新情報」という機能があります。
SNSの投稿のようなもので、施工前後の写真、季節のお知らせ、お客様からいただいた声の紹介などを、写真つきで載せられます。
この投稿には、2つの意味があります。
1つ目は、お店が「動いている」ことが伝わることです。
プロフィールの情報が何年も止まっているお店と、先週も投稿があるお店。
初めて頼むお客様がどちらに安心するかは、言うまでもありません。
私が診断したお店の中には、口コミが★5.0と高評価なのに、唯一の口コミが数年前で止まっていて、「今も営業しているのだろうか」と不安に見えてしまうケースがありました。
2つ目は、仕事の中身を見せられることです。
たとえば清掃業なら、浴槽の下やエアコンの内部など、お客様が普段見ない場所の写真は、それだけで「ここまでやってくれるのか」という驚きになります。
言葉で「丁寧にやります」と書くより、1枚の写真の方が伝わることは多いのです。
頻度は、無理のない範囲で構いません。
現場で写真を撮る習慣をつけて、週に1回でも投稿が続けば、プロフィールの印象は着実に変わっていきます。
よくある質問
Q. 登録したのに、すぐに地図に出てきません。
A. 登録内容がGoogleマップに反映されるまでには、数日かかることがあります。
また、Googleによる確認(オーナー確認)が完了していないと表示されない場合があります。確認用のハガキやメールが届いていないか、チェックしてみてください。
数週間たっても出てこない場合は、店名や住所の表記がGoogleのガイドラインに合っているか(店名にキーワードを詰め込んでいないか、など)を見直す必要があるかもしれません。
Q. 口コミが1件もありません。何から始めればいいですか。
A. まずは、いちばん親しくしてくださっている常連のお客様に、率直にお願いしてみてください。
「Googleの口コミを書いていただけると、とても助かります」という一言で十分です。
最初の1件のハードルがいちばん高く、2件目からは少しずつ楽になります。
作業完了後のあいさつのタイミングでお願いする、と決めておくと、忘れずに続けられます。
Q. 地図に載っている情報が間違っています。
A. オーナー確認を済ませれば、管理画面から自分で修正できます。
逆に言うと、オーナー確認をしていないお店の情報は、Googleが自動で集めた情報や、第三者からの提案で書き換わることがあります。
「電話番号が古いままだった」「定休日が違っていた」という事故を防ぐためにも、オーナー確認は早めに済ませることをおすすめします。
Q. 同じ店のプロフィールが2つ出てきます。
A. 過去の登録や自動生成で、同じお店のプロフィールが重複してしまうことがあります。
重複したプロフィールは、口コミや情報が分散してしまううえ、Googleのガイドライン上も好ましくない状態です。
管理画面から重複の報告・統合の手続きができるので、見つけたら放置せずに対処してください。
Q. 忙しくて、とても手が回りません。
A. 全部を一度にやる必要はありません。
この記事の優先度順リストの1番と2番(オーナー確認とカテゴリ設定)だけなら、初回の30分ほどで終わります。
そこから先の写真や口コミは、日々の仕事のついでに少しずつ積み上げていくものです。
それでも難しければ、外部に手伝いを頼むという選択肢もあります(その場合は、次の章の注意点だけ頭に入れておいてください)。
逆に、絶対にやってはいけないこと
口コミの話が出たので、大事な注意も書いておきます。
口コミを増やしたいからといって、次のことは絶対にやらないでください。
- お金や割引と引き換えに、口コミの投稿をお願いする
- 自分や家族、知人に頼んで、お客様のふりをした口コミを書いてもらう
- 業者から口コミを購入する
これらはGoogleのポリシーに違反していて、見つかると口コミの削除やプロフィールの停止といった措置を受ける可能性があります。
さらに2023年10月からは、いわゆる「ステマ規制」(景品表示法にもとづく規制)が始まっていて、広告であることを隠した宣伝は法律上も問題になります。
口コミは、実際に利用してくださったお客様に「よろしければ口コミをお願いします」と、率直にお願いする。これが唯一の正攻法です。
遠回りに見えて、これがいちばん確実で、いちばん安全です。
「検索順位を保証します」という業者にはご注意を
もう一つだけ、注意の話をさせてください。
この分野には「必ず上位表示させます」「1位を保証します」とうたう業者も存在します。
ですが、ここまで読んでいただいた方はもうお分かりのとおり、順位はGoogleが関連性・距離・知名度の組み合わせで決めるものです。
外部の業者が順位を約束することは、仕組みの上でできません。
順位の保証を売り文句にする業者とは、距離を置くことをおすすめします。
まとめ:腕の良さを、届く場所に置く
最後に、この記事で書いたことをまとめます。
- お客様は地図で比べてから連絡してくる。地図に出てこないお店は、比べる土俵に上がれていない
- 店名で出てこないなら、プロフィールの登録から(無料でできます)
- 店名で出るのに業種の検索で出てこないなら、カテゴリ設定を疑う
- 順位が低いなら、写真・口コミ・情報の充実という「動かせる部分」を積み上げる
- 口コミの購入や自作自演は絶対にしない。順位保証をうたう業者には注意する
私が診断してきたお店の多くは、仕事の腕には何の問題もありませんでした。
「いつもお願いしています」というリピーターの声があるのに、その記録が地図の上に1件しか残っていない。そんなお店ばかりでした。
足りないのは技術ではなく、その技術が見える場所に置かれていることだけです。
この記事が、その置き場所を整えるきっかけになればうれしいです。
【お知らせ】自分のお店の状態を知りたい方へ
「うちの店は、どのケースに当てはまるんだろう」と気になった方へ。
fufumumu_designでは、Googleマップ上で公開されている情報をもとに、お店の表示状況を1枚のレポートにまとめる無料診断を行っています。
表示順位、口コミへの返信状況、写真の枚数など、この記事で書いた確認ポイントを、あなたのお店について具体的にお伝えします。
実際のレポートのサンプルはこちらでご覧いただけます。
→ 無料診断レポートのサンプルを見る
診断は無料で、その後の契約義務もありません。
気になる方は、お問い合わせフォームから「診断希望」とだけお送りください。


コメント