掃除業者を探すとき、多くの方がまず開くのはGoogleマップです。「地域名 ハウスクリーニング」のように検索すると、地図の下にお店の一覧がずらっと並びます。
このとき、なんとなく「一番上に出てくるお店が、一番いいお店なんだろう」と思っていないでしょうか。星の数が多いお店、口コミがたくさんついているお店を見ると、それだけで安心して選んでしまう気持ちはよくわかります。
ただ、実際にいくつかのハウスクリーニング業者のGoogleマップの表示のされ方を確認していくと、この「上に出てくる=良いお店」という思い込みには、見落としがあることがわかってきました。今回は、その具体的な中身をまとめてみます。
スマートフォンで「近くのお店」を探す機会は、年々増えているように感じます。チラシや口コミだけでなく、まずGoogleマップを開いて周辺のお店を見比べる、という探し方は、掃除業者に限らずすっかり定着してきました。だからこそ、地図の表示順が業者選びに与える影響も、以前より大きくなっているはずです。
地図の順位は「評価の高さ」だけで決まっているわけではない
Googleは、マップの検索結果の並び順を決める要素として、公式に3つを挙げています。
- 関連性:検索した言葉と、お店の情報がどれだけ合っているか
- 距離:検索した場所から、お店がどれだけ近いか
- 知名度:そのお店がどれだけ広く知られているか。口コミの数や内容、写真の量、ウェブ上での紹介のされ方などが含まれます
ここで意外に思われるのが、評価の星の数(4.5とか5.0といった数字)そのものは、この3つのうち「知名度」という要素の、さらに一部でしかないという点です。星の数が高くても、口コミの件数がまだ少なかったり、プロフィールの情報(営業時間やウェブサイトのリンク、写真など)が空欄のままだったりすると、知名度の評価が伸びず、地図の下のほうに表示されてしまうことがあります。
逆に言えば、口コミの件数が多いからといって必ずしも上位に出るとは限りませんし、少ないからといって実力がないとも限りません。星の数と表示順は、思っているよりもズレることがある、というのがGoogleの仕組みからもうかがえます。
実際に見られた4つのパターン
複数の地域のハウスクリーニング業者のGoogleマップを確認したところ、次のような組み合わせが実際に見られました。特定の業者を指すものではなく、いくつかの実例をもとにした想定モデルケースとしてご紹介します。
| パターン | Googleマップでの見え方 | 実際のところ |
|---|---|---|
| A | 評価は★5.0だが、口コミは1件だけ。地図では下のほうに表示 | 唯一の口コミに「いつもお願いしています」と書かれており、実際は長年のリピーターがいる業者だった |
| B | 口コミが0件なのに、地図では大手フランチャイズより上の順位に表示 | プロフィールの基本情報(営業時間・ウェブサイト・写真)はしっかり整っており、あとは口コミが増えるのを待つだけの状態だった |
| C | 他の予約サイトでは200件以上・高評価の実績があるのに、Googleマップの検索結果には出てこない | 別の予約サイト経由の依頼が中心で、Googleビジネスプロフィール自体がまだ作られていない可能性が高かった |
| D | そもそも店名で検索しても、Googleマップに何も出てこない | ウェブサイトはしっかり作られており実在する業者だが、Googleの地図には未登録の状態だった |
この4パターンに共通しているのは、どれも「腕が悪いから」「評判が悪いから」地図の順位が低い、というわけではないという点です。むしろ、実際の仕事ぶりと、Googleマップ上での見え方が、かなりズレている業者が一定数いる、というのが実態に近いようです。ここから、それぞれのパターンをもう少し詳しく見ていきます。
パターンA:星は満点、でも件数が1件しかない
星の数だけを見ると、これ以上ないくらいの評価です。ただ、口コミが1件しかないと、地図の順位を決める「知名度」の要素がまだ育っていないと判断されやすく、件数の多い他店の後ろに表示されてしまいます。
ところが、その1件の口コミの中身をよく読むと「いつもお願いしています」という一文が入っていました。つまり、これは初めて利用した人の感想ではなく、何度もリピートしているお客様の声だった、ということです。星の数と件数だけを見て通り過ぎると、こうした事実には気づけません。
パターンB:口コミ0件なのに、大手より上に出てくる
「口コミが0件」と聞くと、多くの人は不安に感じると思います。ところが実際には、口コミが1件もなくても、営業時間やウェブサイトのリンク、写真といったプロフィールの基本情報がしっかり整っていれば、地図の検索結果で大手フランチャイズより上位に表示されることがあります。
この場合、あとは口コミが少しずつ増えていけば、さらに強い表示になっていくと考えられます。土台はすでにできているのに、口コミという最後のピースだけが空欄になっている、という状態です。
パターンC:別のサイトでは大人気、Googleでは無風
くらしのマーケットのようなマッチングサイトで、口コミが200件以上、評価も高水準という業者を見つけました。ところが、同じ業者をGoogleマップで検索しても、なぜか出てきません。
調べてみると、Google検索の一般的な検索結果には公式サイトの情報が表示されるものの、Googleマップの店舗一覧には該当するページが見当たりませんでした。マッチングサイト経由の依頼で手一杯になっていて、Googleビジネスプロフィール(Googleマップにお店を掲載するための無料の登録制度)自体が、まだ作られていない可能性が高いという状態です。実力は十分すぎるほどあるのに、Googleマップという入り口だけがまるごと空いている、というのは少しもったいなく感じました。
パターンD:店名検索でも、何も出てこない
公式サイトはきちんと作り込まれていて、営業時間や料金、サービス内容もわかりやすく書かれている業者なのに、Googleマップで店名を直接検索しても「見つかりません」と表示されるケースもありました。パターンCと同じく、Googleビジネスプロフィール自体が未登録の状態だと考えられます。
この場合、近隣で「ハウスクリーニング」と検索した人の目には、その業者はそもそも選択肢としてすら映りません。ウェブサイトへの集客には力を入れているのに、地図検索という別の入り口をまるごと逃してしまっている、というのは非常に惜しい状態です。
特にパターンCとDのように感じるのは、個人や少人数で営んでいる業者ほど、こうしたズレが起きやすいのではないかということです。日々の作業や、既にある予約サイト・紹介での依頼対応に手一杯で、Googleマップという別の場所の見え方まで手が回っていない、というのは自然なことのように思えます。
なぜ、こうしたズレが起きるのか
いくつか理由が考えられます。まず、Googleマップの口コミは、実際に依頼したお客様が自発的に書いてくれない限り増えません。腕が良く、リピーターがついている業者ほど「毎回の対応で信頼を積み重ねる」ことに力を注いでいて、口コミを書いてもらうよう声をかける、という一手間まで意識が向きにくい傾向があるようです。
また、くらしのマーケットやエキテンといった別のマッチングサイト経由での依頼が中心になっている業者の場合、そちらのサイトでは口コミが順調に増えていても、Googleマップ側にはその実績が反映されません。サイトごとに口コミの仕組みは独立しているため、片方で評判が良くても、もう片方ではまったくの無風、ということが普通に起こります。
写真の枚数も見落とされがちな要素です。海外の調査会社(BrightLocal)が発表しているデータでは、写真を100枚以上掲載している店舗は、少ない店舗と比べて問い合わせの数が大きく変わるという結果が報告されています。日々の作業風景をスマートフォンで撮っておくだけでも、プロフィールの充実度に差が出てくるようです。
もう一つ、口コミへの返信の有無も見落とされがちです。口コミに対してオーナーからの返信がある業者と、まったく返信のない業者とでは、見る人が受け取る印象が変わります。海外のサービス会社(EmbedSocial)が公表している調査では、低い評価の口コミに対して返信をすると、その店への見方を改める人が多いという結果も出ています。良い評価の口コミであっても、一言お礼を返すだけで「きちんと運営されているお店」という印象につながるようです。
業者を選ぶ側ができること
これから掃除業者を探す方に向けて、地図の表示順だけに頼らない探し方を3つ挙げます。
1. 口コミの「件数」より「中身」を読む
件数が少ない業者でも、口コミの本文まで読んでみると「もう3回目のお願いです」「子どもがいるので定期的にお願いしています」のような、具体的な継続利用の様子が書かれていることがあります。星の数と件数だけを見て通り過ぎてしまうと、こうした情報を見逃してしまいます。
2. 表示順が低い・口コミが少ないからといって、即座に除外しない
先ほどのパターンAやBのように、実力とオンライン上の見え方が一致していない業者は珍しくありません。気になる業者が地図の下のほうにいた場合、公式サイトや他の口コミサイトも合わせて確認してみると、印象が変わることがあります。
3. 公式サイトや他のプラットフォームも一緒に見てみる
Googleマップだけで判断せず、業者の公式サイトや、くらしのマーケット・エキテンなどのマッチングサイトも合わせて確認してみると、Googleマップには表れていない実績が見つかることがあります。特に個人経営の業者の場合、この差が大きく出やすいようです。
4. 写真や、オーナーからの返信も見ておく
プロフィールに載っている写真が、業者自身が撮影したものか、Googleの地図に自動で表示されるストリートビューだけなのかでも、力の入れ方の違いが見えてきます。また、口コミに対してオーナーからの返信があるかどうかも、日頃どれくらい丁寧に対応している業者なのかを知る手がかりになります。
掃除業者さんへ
ここまで消費者目線で書きましたが、もしこの記事を読んでいるのがハウスクリーニングを営んでいる方でしたら、思い当たる節があるかもしれません。
「お客さんには喜んでもらえているのに、Googleマップでの表示順がなぜか低い」「他の予約サイトでは口コミがたくさんあるのに、Googleでは全然ない」というのは、決して珍しい話ではないようです。今回確認した中にも、実際にそういう状態の業者さんが複数ありました。
これは、腕が悪いからでも、サービスが悪いからでもありません。単に、Googleマップという場所での見え方が、まだ実力に追いついていないだけ、というケースがほとんどです。
もし「うちも当てはまるかもしれない」と感じた方は、一度ご自身の店名でGoogleマップを検索してみて、次の3点を確認してみるのをおすすめします。
- 口コミの件数と、いただいている口コミの内容
- 営業時間やウェブサイトのリンクといった基本情報が空欄になっていないか
- そもそもGoogleマップに、自分のお店のページが存在しているか
特に最後の1点は見落としがちです。公式サイトはしっかり作り込まれているのに、Googleマップ自体にまだ登録されていない、という業者さんも実際にいらっしゃいました。
口コミをお願いするタイミングにも、少しコツがあるようです。作業が終わった直後、まだ部屋がきれいになった満足感が残っているうちにひと声かけると、快く応じてもらえることが多いと言われています。長くご利用いただいているお客様であれば、次回の予約の連絡のついでにお願いしてみるのも一つの方法です。無理にお願いする必要はありませんが、満足していただけた実感があるときは、声をかけてみる価値がありそうです。
そもそも「Googleビジネスプロフィール」とは
ここまで何度か出てきた「Googleビジネスプロフィール」という言葉について、少し補足しておきます。これは、Googleマップやgoogleの検索結果にお店の情報(住所・営業時間・電話番号・口コミなど)を表示させるための、Googleが無料で提供している登録の仕組みです。
お店を経営している本人が、自分のGoogleアカウントで登録・管理します。登録していなくても、他の人の投稿などをきっかけに簡易的なページが自動でできていることもありますが、その場合は営業時間や写真などの情報がほとんど空欄のままになっていることが多いです。
登録自体は無料でできますが、名義や住所の確認作業があるため、申請してすぐに反映されるわけではありません。パターンC・Dのように「まったく心当たりがない」という場合は、まず自分の店名で検索して、プロフィールが存在するかどうかを確認するところから始めることになります。
まとめ
Googleマップの表示順は、関連性・距離・知名度という3つの要素で決まっていて、評価の星の数だけで決まっているわけではありません。
- 口コミが少なくても、実力のある業者はいます
- 口コミの中身まで読むと、件数だけではわからない情報が見えてきます
- 地図に出てこない、あるいは下のほうに表示される業者が、必ずしも実力不足とは限りません
業者を選ぶ側は、表示順だけに頼らず口コミの中身まで見てみること。業者として運営している側は、一度ご自身の見え方を確認してみること。どちらの立場でも、ちょっとした確認が役立つはずです。
Googleマップは便利な道具ですが、あくまで「探す入り口」の一つにすぎません。表示される順番だけを鵜呑みにせず、口コミの中身や公式サイト、他のプラットフォームまで少し目を広げてみると、本当に自分に合った業者や、正しく評価されるべきお店の姿が見えてくるはずです。
掃除業者選びで迷ったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
・初めてハウスクリーニングを頼む前に知っておきたいこと、全部まとめました
・ハウスクリーニングまるわかりガイド
参考:Google「ローカル検索結果のランキングの仕組みについて」(Google マップ ヘルプ)、BrightLocal社の調査データ(掲載店舗の写真枚数と問い合わせ数に関する調査)。本文中の事例は複数の実例をもとにした想定モデルケースであり、特定の業者を示すものではありません。


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