消費者が業者を選ぶとき、見ていたのは「技術」ではなかった。
- 【プロローグ】これは苦情記事ではありません
- 【第1章】「ハウスクリーニング ○○市」と検索した、あの日のこと
- 【第2章】5社を開いたが、5社とも「同じ」だった
- 【第3章】「比べてもらえなかった業者」が、その日失っていたもの
- 【第4章】1社だけ「違う」と感じた業者があった。何が違ったか、全部書く
- 【第5章】消費者は「安い業者」を探していない。「安心できる業者」を探している
- 【第6章】今すぐ使える!「比べてもらえる業者」10項目チェックリスト
- 【第7章】今日から7日間でできる「比べてもらえる業者」入門プログラム
- 【おわりに】比べてもらえない業者に、明日はない。でも今日気づいた人には、明日がある
- 【職人さんへ】
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【プロローグ】これは苦情記事ではありません
まず、お断りしておきます。
この記事は「業者の対応が悪かった」という不満記事でも、「清掃業者はダメだ」という批判記事でもありません。
集客LPの制作を通じて、多くのハウスクリーニング業者さんのWebサイトを外から見てきました。
その中で気づいたことがあります。
「業者を比べようとして、比べられなかった消費者が、毎日どこかで大手に流れている」ということです。
なぜ比べられないのか。その理由を、業者の集客を外から見ている立場として、書いてみたいと思います。
この記事を読んだあとに「うちのこと言ってる?」と感じてほしい業者さんがいます。逆に「うちは大丈夫だ」と確認してほしい業者さんもいます。どちらにとっても、何かひとつ持ち帰れるものがある記事にします。
【第1章】「ハウスクリーニング ○○市」と検索した、あの日のこと
消費者が業者を探すとき、最初の30秒に何が起きているか
ハウスクリーニング業者を探している消費者は、こんな行動をとることが多いです。
エアコンの分解洗浄を依頼しようと、スマートフォンを取り出します。
検索ワードは「ハウスクリーニング ○○市」
結果が返ってきて、スクロールしながらざっと数えると、20社以上が表示されています。
「これだけあれば、すぐ選べるだろう」と思うはずです。でも、この考えが甘かったとすぐ気づくことになります。
上から順番に開いていきます。
最初のサイト。きれいなデザインです。でも、サービス説明がメニューの羅列だけ。料金は「要見積もり」。問い合わせ先はフォームのみ。写真は1枚もない。
次のサイト。今度は写真がありました。でも、どこかで見たような画像です。「これ、フリー素材じゃないかな……」と思いながら閉じます。
3社目。シンプルすぎて、テキストが数行しかない。「本当にまだ営業しているのか?」と思うレベルでした。
4社目。少し情報量が多かった。でも、書いていることが全部「お客様のために丁寧な清掃を」「確かな技術で対応します」という抽象的な言葉ばかり。「丁寧」って、どのくらい丁寧なんだろう。「確かな技術」って、誰が言っているんだろう。
5社目。デザインはきれい。でも、料金ページがリンク切れになっていました。
業者を探し始めてから、まだ5分も経っていません。
そして気づき始めます。「これ、選べないな」と。
20社以上の中で、「この業者、いいかも」と思える業者が5社の段階で1社もいませんでした。
ここで少し立ち止まって考えてほしいのです。
消費者が業者を探し始める「最初の30秒」に何が起きているか。
お客さんはあなたのサイトを開いた瞬間、あなたのことを全く知りません。「信頼できる人か」「ちゃんとした業者か」「頼んで大丈夫か」を、たった数秒で判断しようとしています。
そして判断するための「材料」がなければ、どうなるか。
次のページに進まずに、静かにブラウザを閉じるんです。
「うちのサイトを開いた人は、ちゃんと見てくれているはずだ」と思っているなら、少し待ってください。次の章で、もう少しリアルな話をします。
【第2章】5社を開いたが、5社とも「同じ」だった
情報が薄い業者が、消費者の目にどう映っているか
もう少し続けます。
諦めずにさらに5社を開きます。合計10社。
結果は、ほぼ同じでした。
書いていることが違う。デザインが違う。でも、消費者には「全部同じ」に見えます。
なぜか。
どの業者も、「決め手になる情報」がなかったからです。
消費者が業者を「比べる」ときに必要な情報を書き出してみます。
- 誰がやっているか(顔写真・名前・経歴)
- どれくらいやってきたか(実績件数・年数)
- 他のお客さんはどう感じたか(口コミ・お客様の声)
- いくらかかるか(料金の目安)
- どんな手順でやるか(作業の流れ)
- 何かあったときどうなるか(保証・対応)
これが揃っていれば、消費者は「比べる」ことができます。
でも、10社のサイトを見て、この情報が揃っている業者は1社もありませんでした。
「料金は要見積もり」「まずはご相談を」「丁寧な作業でご満足いただいています」
これを見て、消費者は何を感じるか。
「よくわからない」です。
わからないとき、人はどうするか。3つのどれかです。
① 検索をやめる。「面倒くさいな」と思って後回しにする。そのまま依頼しない。
② 大手に流れる。「おそうじ本舗」「ダスキン」はブランドがある。個人業者の「よくわからない」と大手の「まあ知っている」を比べたら、大手を選んでしまいます。
③ 知り合いの口コミに頼る。「誰か使ったことある人いない?」とSNSで聞く。ここでも、情報を出せていない業者の名前は出てこない。
ここで気づいてほしいことがあります。
消費者は、あなたのサイトで「情報が少ない」と感じた瞬間に、競合に流れています。
あなたは何もしていない。サイトは一応ある。でも、それだけで毎日お客さんを失い続けているかもしれない。
怖いのは、それに気づいていないことです。
「最近問い合わせが来ないな」と思いながら、原因がわからないまま時間が過ぎていく。
次の章で、「比べてもらえなかった業者が、実際に何を失っていたか」を数字で書きます。
【第3章】「比べてもらえなかった業者」が、その日失っていたもの
失注に気づいていない業者が、一番こわい
消費者が10社のサイトを見て、閉じたとします。
このとき、10社の業者はどう感じているでしょうか。
何も感じていません。
なぜなら、その消費者がサイトを訪れたことすら知らないからです。
問い合わせが来ていないから「今日もゼロだったな」と思っているかもしれない。でも実際には、今日も何人かがサイトを開いて、情報を探して、見つからなくて、静かに去っていったのかもしれない。
これが「失注に気づいていない」という状態です。
少し数字で考えてみましょう。
仮に、あなたのサイトに月100人が訪れているとします。そのうち問い合わせをするのが1%だったとすると、月に1件です。
でも、情報が整っていて「この業者、良さそうだ」と感じてもらえる確率が3%になったら?
月に3件になります。年間では36件。
1件あたりの単価が30,000円なら、年間1,080,000円の差になります。
サイトに書く内容を変えることで、問い合わせ件数が変わる可能性があります。
でも「気づいていない」業者は、その可能性にも気づいていません。
もう一つ、大事なことを言います。
「仕事は今も紹介で来ているから大丈夫」という業者さんがいます。今は正しい。でも5年後も正しいかどうかは別の話です。
紹介という仕組みは、紹介してくれる人が元気なうちは機能します。でも、その人が引越したら? 忙しくなって連絡が途絶えたら? 紹介の輪が細くなっていったら?
そのとき、あなたの業者には「見知らぬ人が自分で見つけてくれる」仕組みがあるでしょうか。
紹介に頼り切っているということは、「新しい人に見つけてもらう力」がほぼゼロに近いということでもあります。
今日、比べてもらえない業者は、明日も比べてもらえません。仕組みを変えない限り。
では、比べてもらえた業者は何が違ったのか。次の章で話します。これが一番大事な話です。
【第4章】1社だけ「違う」と感じた業者があった。何が違ったか、全部書く
消費者が「この人に頼もう」と決めた、たった3つの要素
10社を見て「全部同じだな」と感じていた消費者が、11社目のサイトを開いたとき、スクロールする手が止まります。
何が違ったか。
一言で言うと、「人がいた」んです。
具体的に書きます。
違い① 顔があった
トップページを開いた瞬間、代表者の顔写真が出てきました。清潔感のある白い作業着を着た方が、にこやかに立っている写真です。
「この人がやってくれるんだ」とわかる。それだけで、安心感がまったく違いました。
考えてみれば当然です。家に人を招き入れる仕事ですから、誰が来るかわからない業者には頼みにくい。顔が見えるだけで、「知らない人」から「会ったことはないけど顔を知っている人」に変わります。それが信頼の入口です。
違い② 数字があった
「施工実績:累計○件」と書いてありました。
この数字を見た瞬間、「ああ、ちゃんとやっている業者なんだ」と感じます。
「丁寧な仕事を心がけています」という言葉より、「○件やってきました」という数字の方が、圧倒的に信頼できます。言葉は誰でも書けます。数字は嘘をつきにくいです。
あなたがこれまでやってきた件数は、いくつありますか? 50件でも、100件でも、その数字はあなたが積み上げてきた本物の実績です。
違い③ お客さんの言葉があった
「エアコンがここまできれいになるとは思いませんでした。作業中も丁寧に説明してくださって、安心してお任せできました」
こういったお客様の声が複数掲載されていました。
技術のことは素人には判断できません。でも、お客さんが「安心できた」と言っているなら信頼できます。消費者は専門家の評価より、同じ立場の人間の声を信じます。
この3つ——顔・数字・言葉——があるだけで、判断はほぼ決まります。
最終的に問い合わせをするのはその業者でした。
他の業者より少し価格が高かった。それでも選ばれます。
なぜか。
「ここに頼もう」という気持ちが、問い合わせより先にあるからです。
消費者が業者を選ぶプロセスは「比べて安い方を選ぶ」ではありません。
「信頼できそうだと感じた業者に決めて、価格を後から確認する」です。
だから、価格を下げても問い合わせが増えないことがある。信頼される前に、価格の話をしているから。
この「信頼」と「価格」の話を、次の章でもう少し深く掘り下げます。
【第5章】消費者は「安い業者」を探していない。「安心できる業者」を探している
価格競争に巻き込まれる業者と、そうでない業者の根本的な違い
「問い合わせを増やすには価格を下げればいい」と思っている業者さんが多い、と感じます。
でも、少し考えてみてください。
家に上がり込んで、大切な家財道具に触れる仕事です。消費者は依頼前に「この業者は信頼できるか」「何かあったときに対応してもらえるか」を確認したいと思っています。
一般的に、消費者がサービス業者を選ぶ際には「信頼・安心感」を重視する傾向があると言われています。
「安心できない」と感じる業者には、価格が安くても依頼をためらってしまう。これが多くの消費者の心理です。
では、「安心できる業者」と「そうでない業者」は、何が違うか。
情報の量と質、だけです。
技術が違うのではありません。価格が違うのではありません。「信頼のサインを出せているかどうか」が違います。
信頼のサインとは:
- 顔が見える(顔写真)
- 実績が見える(件数・年数)
- 他の人の声が見える(口コミ)
- 作業の中身が見える(手順・説明)
- 連絡が取りやすい(複数の問い合わせ手段)
これらは全部、資格がなくても、特別な技術がなくても、今日から始められることです。
逆に言えば、これをやらないまま「価格を下げる」選択をすると何が起きるか。
安い業者として認識されるようになります。「安いから頼む」というお客さんが増えます。単価が下がる。同じ件数をこなしても売上が減る。疲れる。消耗する。
価格競争に入ったら、最後は体力勝負です。個人業者が体力勝負で大手と競い続けるのは難しいです。
信頼のサインを出すことは、価格競争から抜け出すための有効な方法のひとつです。
では、あなたの業者は今、何点取れているか。次の章でセルフチェックしてみましょう。
【第6章】今すぐ使える!「比べてもらえる業者」10項目チェックリスト
自分のサイト・プロフィールは何点か。3分で診断できます
今すぐスマートフォンで、自分のサイトかGoogleビジネスプロフィールを開いてください。
以下の10項目を確認します。できていれば1点、できていなければ0点です。
| # | チェック項目 |
|---|---|
| 1 | 代表者の顔写真がある |
| 2 | 施工実績の件数が数字で書いてある(「累計○件」など) |
| 3 | お客様の声・口コミが1件以上ある |
| 4 | 料金の目安が書いてある(「エアコン1台○○円〜」など) |
| 5 | 作業の流れ・手順が書いてある |
| 6 | 対応エリアが明確に書いてある |
| 7 | Googleビジネスプロフィールが登録されている |
| 8 | 問い合わせ手段が2種類以上ある(電話+メール・LINE等) |
| 9 | 最後に情報を更新したのが1年以内 |
| 10 | スマートフォンで見やすい(文字が小さすぎない) |
何点でしたか?
0〜3点:今日から動いてください
消費者からは「よくわからない業者」に見えている可能性があります。問い合わせが来ない原因のひとつがここにあるかもしれません。今日から1つずつ始めれば、着実に改善できます。
4〜6点:改善余地があります
悪くはないけれど、まだ「比べてもらえる土台」には乗っていない可能性があります。あと3〜4項目追加するだけで、問い合わせの質と量が変わる可能性があります。
7〜10点:比べてもらえる土台は整っています
あとは、この情報をどう届けるかの話になります。GoogleビジネスプロフィールやSEOの活用で、さらに問い合わせを増やせる可能性があります。
大事なことを言います。
この10項目は、全部、今日から始めることができます。資格は要りません。費用もほぼゼロです。スマートフォン1台あれば、今すぐ動けます。
次の章で、具体的な「7日間プログラム」を書きます。
【第7章】今日から7日間でできる「比べてもらえる業者」入門プログラム
費用ゼロ・スマホ1台・1日30分でできること
では、実際に動きましょう。毎日1つ、順番にやるだけです。
Day 1:Googleビジネスプロフィールを確認・登録する
まず「Googleビジネスプロフィール」と検索してください。Googleアカウントでログインして「ビジネスを管理」へ。自分の業者名で登録があるか確認します。
- 登録済みの場合:オーナー確認ができているか確認する
- 登録がない場合:今日中に登録する(無料・Googleアカウントがあれば作成できます)
Googleビジネスプロフィールは「Googleマップ」と連動しています。登録することで「○○市 ハウスクリーニング」の検索結果に表示される可能性が生まれます。
(参考:Googleビジネスプロフィール公式ヘルプ)
Day 2:代表者の写真を1枚撮る
今日、作業着を着て、玄関か外に立ってください。スマートフォンで家族や知人に撮ってもらう。それだけでOKです。
ポイントは3つだけ。
- 顔がはっきり写っていること
- 清潔な作業着であること
- 自然に笑っていること
プロのカメラマンは不要です。この写真をGoogleビジネスプロフィールとサイトのトップに使います。顔写真を掲載することで、消費者に安心感を伝えやすくなります。
Day 3:実績件数を数えて書く
手帳・領収書・LINEのやりとり・メモ
なんでもいいので、これまで対応した件数を数えてください。
50件でも、100件でも、300件でも。「累計○件対応」という数字が出たら、Googleビジネスプロフィールの説明文とサイトに書いてください。
それはあなたが積み上げてきた本物の実績です。謙遜せずに、ぜひ記載してください。
Day 4:お客さんに一言感想をもらう
今日は、最近対応したお客さん1人にLINEか電話で聞いてみてください。
「よかったら一言感想をいただけますか?サイトに掲載させてください」
快くご協力いただけることが多いです。1人でも集まれば、それがそのまま「お客様の声」になります。
もし今のお客さんに聞くのが難しければ、過去に対応した方にメッセージするだけでもOKです。
※お客様の声を掲載する際は、必ず事前に掲載の同意を得てください。
Day 5:料金の目安を1行書く
「料金は要見積もり」だけだと、消費者には「いくらかかるか見当がつかない」と感じさせてしまいます。
今日は、一番依頼が多いメニューの目安価格を1行書いてください。
例:「エアコン1台(壁掛けタイプ):○○円〜」
「〜」をつければ変動があることも伝わります。これだけで「とりあえず検討できる」と思ってもらえます。
Day 6:Googleビジネスプロフィールに写真を追加する
Day 2で撮った自分の写真に加えて、今日はもう2〜3枚追加します。
- 作業中の様子(作業前後の比較写真など)
- 使用している道具・洗剤
- 作業完了後のきれいな状態
スマートフォンで撮った写真でOKです。Googleは情報が充実しているプロフィールを検索結果に表示しやすい傾向があります。
(参考:Googleビジネスプロフィール公式ヘルプ)
Day 7:問い合わせ方法を2つ以上にする
今日は、お客さんが連絡できる手段を確認します。電話だけ、メールだけ、LINEだけ
1つしかない場合、「その方法が苦手な人」は問い合わせをあきらめてしまいます。
電話+メール、電話+LINE、どんな組み合わせでも、2種類あれば十分です。
LINE公式アカウントは無料で作成できます。「LINEで気軽に聞ける」だけで、問い合わせのハードルが下がる可能性があります。
(参考:LINE公式アカウント)
7日間が終わったとき、何が変わっているか。
顔写真がある。実績件数が書いてある。お客さんの声がある。料金の目安がわかる。Googleマップに写真つきで表示されている。問い合わせ先が2つある。
これだけで、あなたは「比べてもらえる業者」になっています。
まだ多くの個人ハウスクリーニング業者がこれらの情報発信に取り組めていない状況があります。今日から動き始めることで、着実に差をつけることができます。
【おわりに】比べてもらえない業者に、明日はない。でも今日気づいた人には、明日がある
技術は、磨いてきた。現場は、手を抜いたことがない。お客さんのために、できることは全部やってきた。
それでも、問い合わせが来ない。選ばれない。
その理由が、今日わかりましたか。
技術が足りないのではありません。熱意が足りないのでもありません。
「見えていない」だけだったんです。
消費者はあなたの技術を知る手段がなかった。顔も、実績も、声も——何も見えなかったから、比べる前に去ってしまっていた。
でも、見えるようにするのは難しくありません。今日から7日間。1日30分。費用はほぼゼロ。それだけで、あなたの業者は「比べてもらえる業者」になります。
【職人さんへ】
この記事を通じて、一番お伝えしたかったのは一つです。
「情報を出すことは、売り込みではありません。自己紹介です。」
お客さんは安心して選べる情報を求めています。あなたがどんな人か、どんな仕事をしてきたか、ちゃんと伝えてあげてください。それだけで、選ばれる可能性は大きく変わります。
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