ペンション・民宿の集客はどうする?予約サイト頼みから抜け出す、自社集客の作り方

ペンション・民宿の集客|予約サイト頼みから抜け出す自社集客の作り方 ペンション・宿施設向け

じゃらんや楽天トラベル、Booking.comといった予約サイトからの予約は入る。けれど、手数料が重い。リピーターがなかなか育たない。まわりの宿との値段の比較にさらされて、消耗している。ペンションや民宿を経営していると、こうした悩みにたどり着く方は少なくありません。

この記事は、「予約サイト頼みの状態から、自分の宿に直接お客さまが来る流れを作りたい」と考えている宿のオーナーさんに向けて書いています。予約サイトを今すぐやめる必要はありません。うまく付き合いながら自社集客の比率を上げていく、その現実的な進め方を順番に整理します。

まず、予約サイト頼みの何がしんどいのかを整理する

予約サイトは、開業したての宿や、まだ知名度のない宿にとって、とてもありがたい存在です。何もしなくても、宿を探している人の目に触れる場所に載せてもらえるからです。だから、頼ること自体が悪いわけではありません。問題は、そこに「頼りきり」になったときに起きます。

一つめは、手数料の負担です。予約サイトを通した予約には、宿泊料金の一部が手数料として差し引かれます。サイトやプランによって幅はありますが、各予約サイトの公表や解説によると、おおむね1割から1.5割程度が目安とされています。1泊2万円の予約なら、2,000円から3,000円ほどが手数料に消える計算です。年間を通すと、決して小さくない金額になります。

二つめは、お客さまの情報が自分の宿のものにならないことです。予約サイト経由で来てくれたお客さまの連絡先は、基本的にそのサイトが持っています。つまり、「またあの宿に泊まりたい」と思ってもらえても、こちらから直接ご案内を送ることが難しい。せっかくの良い出会いが、一度きりで終わりやすいのです。

三つめは、比較にさらされることです。予約サイトは便利な反面、同じ地域の宿がずらりと並んで表示されます。お客さまは写真と価格と口コミを見比べて選ぶので、どうしても価格やレビューの競争に巻き込まれます。あなたの宿ならではの良さが、比較の中に埋もれてしまいやすいのです。

大事なのは、これを「予約サイトが悪い」と考えないことです。予約サイトは、新しいお客さまと出会う入口として使い続ければいい。そのうえで、直接あなたの宿を選んで予約してくれる流れを別に育てていく。この二つを両輪で回すのが、現実的なゴールです。

自社集客の全体像は、3つの柱でできている

「自社集客」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、やることを整理すると、大きく3つの柱に分かれます。この3つを、宿の体力に合わせて少しずつ育てていくイメージです。

  • 柱1:自分の宿のサイト(ホームページ・LP)。予約サイトでは伝えきれない、あなたの宿の世界観や過ごし方を届ける場所です。
  • 柱2:検索で見つけてもらう仕組み。「地域名+宿のタイプ」で調べた人に、あなたの宿を見つけてもらうための入口づくりです。
  • 柱3:一度来てくれた人と、つながり続ける仕組み。リピーターと口コミを育てる部分です。

この3つは、順番に効いてきます。まず柱1で「直接予約を受けられる受け皿」を作り、柱2で「その受け皿に人を呼び込み」、柱3で「来てくれた人をつなぎとめる」。この流れができると、予約サイトに払っていた手数料の一部が、少しずつ自分の手元に残るようになっていきます。

柱1:自分の宿のサイトが、なぜ必要なのか

「予約サイトに載っているのに、自分のサイトもいるの?」と思う方もいるかもしれません。答えは、役割が違うからです。

予約サイトは、決められた枠に写真と料金と説明を当てはめる場所です。どの宿も同じフォーマットで並ぶので、あなたの宿だけの雰囲気を伝えるには限界があります。一方、自分の宿のサイトは、フォーマットが自由です。朝の光が入る食堂、夜の静けさ、オーナーがどんな想いでこの宿をやっているのか。予約サイトでは削ぎ落とされてしまう部分こそが、実は「この宿に泊まりたい」という気持ちを生みます。

そして、自分のサイトから直接予約してもらえれば、手数料はかかりません。お客さまの連絡先も、あなたの宿のものになります。次のご案内を送ることもできます。だから、自社集客の一番の土台は、この「自分の宿のサイト」なのです。

サイトを作るときに意識したいのは、きれいに見せることよりも、「泊まったらどんな時間が過ごせるのか」が伝わることです。具体的には、次のような要素があると、お客さまは予約を決めやすくなります。

  • 宿でどんな時間を過ごせるかがわかる写真(部屋だけでなく、食事・景色・過ごし方)
  • 他の宿とどう違うのか、この宿ならではの魅力が一言で伝わる見出し
  • オーナーの人柄や想いが伝わる紹介
  • 迷わず予約に進めるボタン(予約フォーム、または電話・メール)
  • スマートフォンで読みやすいこと(宿を探す人の多くはスマホで見ています)

難しく考える必要はありません。「この宿に泊まったら、こんな一日になりますよ」という物語が、写真と短い言葉で伝わる。それが、直接予約を受けるための最初の一歩です。

柱2:検索で見つけてもらう仕組みを作る

サイトという受け皿を作っても、そこに人が来なければ意味がありません。では、どうやって呼び込むか。ここで大きく効くのが、Googleの検索とマップです。宿を探している人の多くは、「地域名+宿のタイプ」や「地域名+やりたいこと」で検索するからです。

Googleビジネスプロフィール(マップ対策)を整える

まず取り組んでほしいのが、Googleビジネスプロフィールの整備です。これは、Googleマップや検索結果の地図欄に、あなたの宿を表示させるための無料の仕組みです。「地域名 ペンション」「地域名 民宿」で調べたときに、地図と一緒に宿の情報が出てくる、あの枠のことです。

無料で登録でき、しかも地域名での検索では、大きな予約サイトと並んで表示されるチャンスがあります。宿の名前、住所、電話番号、営業情報を正確に埋め、魅力が伝わる写真をしっかり載せる。そして、泊まってくれたお客さまに口コミをお願いする。この地道な積み重ねが、地図での見つけられやすさにつながっていきます。地域に根ざした小さな宿にとって、ここは費用をかけずに戦える、数少ない場所です。

「地域名×体験」で、探している人に届く記事を持つ

もう一つが、検索で見つけてもらうためのページや記事です。宿を探す人は、いきなり宿名で検索するとは限りません。「地域名 一人旅 宿」「地域名 温泉 のんびり」「地域名 星空」といった、やりたいことや過ごし方で調べることがよくあります。

こうした検索に対して、宿の周辺の魅力や過ごし方を紹介するページがあると、探している人の目に触れる入口が増えます。宿の近くで楽しめること、季節の見どころ、ゆっくり眠れる工夫。あなた自身が一番よく知っている情報を丁寧に書いておくことが、遠回りに見えて、じわじわ効いてきます。ただし上位表示には時間がかかるので、焦らず、けれど止めずに続けることが大切です。

柱3:一度来てくれた人と、つながり続ける

新しいお客さまを集めるのは、手間もお金もかかります。一方で、一度泊まってくれた人にもう一度来てもらうのは、ずっと簡単で、しかも予約サイトの手数料もかかりません。だから、自社集客で一番おいしいのは、実はこのリピーターの部分です。

そのために必要なのは、泊まってくれた人と、細くてもいいのでつながり続けることです。具体的には、次のような方法があります。

  • 宿の公式LINEを作り、チェックアウト時に「次回使えるご案内をお送りします」と登録してもらう
  • 季節が変わるタイミングで、そっと近況やおすすめの過ごし方を届ける
  • 直接予約してくれた方に、ささやかな特典を用意する
  • SNSで宿の日常を発信し、フォローしてもらう

売り込みのような連絡は逆効果です。あくまで「あの宿、そういえばまた行きたいな」と思い出してもらうきっかけを、押しつけずに届ける。この距離感が大切です。人と人のつながりを大事にできるのは、小さな宿ならではの強みです。あわせて、良い時間を過ごしてくれた方に負担にならない形で口コミをお願いすると、その積み重ねが次の新しいお客さまの安心にもつながります。

どこから手をつけるか。小さな宿のための優先順位

「全部いっぺんにやるのは無理」というのが、人手も時間も限られた多くの宿の本音だと思います。だから、効きやすい順に手をつけます。おすすめは次の順番です。

  • 最初に:Googleビジネスプロフィールの整備。費用がかからず、地域名の検索で見つけてもらいやすくなる、一番はやく効く部分です
  • 次に:自分の宿のサイトを、直接予約が受けられる形に整える。手数料のかからない予約導線を作る、自社集客の心臓部です
  • その次に:LINEやSNSで、一度来てくれた人とつながり続ける仕組み
  • じっくり:検索で見つけてもらう記事づくり。時間はかかりますが、続けるほど効きます

全部を完璧にやろうとして動けなくなるより、まず一つ、今日できることから始めるほうが、ずっと前に進みます。

よくある失敗と、その避け方

自社集客に取り組むとき、つまずきやすいポイントがいくつかあります。先に知っておくと、遠回りを減らせます。

予約サイトを急にやめてしまう。自社集客が育つ前に予約サイトを外すと、予約そのものが減ってしまいます。自社の流れが太くなるまでは、予約サイトも入口として使い続けるのが安全です。少しずつ比率を移していく、という発想が大切です。

価格だけで勝負しようとする。安さで選ばれた宿は、もっと安い宿が出てくれば、そちらに流れます。価格競争は、体力のある大きな宿ほど有利です。小さな宿が戦うべきは、価格ではなく「ここでしか味わえない時間」です。

写真が弱い。宿選びは、まず写真で心が動きます。暗い写真や、魅力の伝わらない写真では、どんなに良い宿でも選ばれにくくなります。明るく、過ごし方が想像できる写真を用意することは、どの柱でも効いてきます。そして、サイトもSNSも口コミも、完璧を目指して疲れてしまうより、無理のないペースで長く続けるほうが結果につながります。

まとめ:予約サイトと付き合いながら、自分の流れを育てる

予約サイト頼みから抜け出すというのは、予約サイトを敵にすることではありません。予約サイトは新しいお客さまとの出会いの入口として使いながら、その横で、直接あなたの宿を選んでくれる流れを少しずつ育てていく。それが現実的で、消耗しない進め方です。

一度に全部はできません。けれど、費用のかからないGoogleビジネスプロフィールから始めて、今日ひとつ手をつければ、半年後、一年後の景色は確実に変わります。手数料に消えていたお金が、少しずつ自分の宿に残るようになる。その第一歩は、あなたの宿にしか出せない魅力を、きちんと言葉と写真にすることから始まります。

自社集客の土台になるのが、直接予約を受けられる「自分の宿のサイト・LP」です。予約サイトでは伝わらない世界観を届け、手数料のかからない予約の流れを作るところから、集客は変わり始めます。

ペンション・民宿・グランピングなど、宿の魅力を「泊まりたい」という気持ちに変えるLP制作については、宿泊施設向けのLP制作サービスもあわせてご覧ください。制作の流れや費用の目安も掲載しています。

この記事を書いた人

「見た目がきれいなだけのページ」ではなく、問い合わせや応募につながることを目指したページを作っています。

運営者は、上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスの最前線から、約70名の営業チームのマネジメントまで経験してきました。「どんな言葉で人の心が動くのか」「どうすれば“お願いします”と言ってもらえるのか」を、机上ではなく現場で、20年かけて体に叩き込んできた人間です。

デザイナーが作るLPは“見た目”で終わりがちです。私が作るのは、営業の視点で「何を・どの順番で伝えれば人が動くか」まで考えた、集客・採用のためのページです。「人が来ない・選ばれない」というお悩みのお手伝いに、営業だからこそ力を注いでいます。20年の営業経験が、いちばん生きると考えています。

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