Googleマップの「混雑状況」が表示されない理由。仕組みから分かる本当のところ

Googleマップの「混雑状況」が表示されない理由。仕組みから分かる本当のところ Googleマップ集客

Googleマップでお店を検索すると、地図の下に「混雑する時間帯」というグラフが出ているお店と、出ていないお店があります。よく利用するお店と、たまたま検索した近所のお店を見比べて、「こっちには出ているのに、うちの店には出ていない」と気づいた経験がある方もいるのではないでしょうか。GBP(Googleビジネスプロフィール)の診断をしていると、「うちの店だけ、この機能が出ていない気がする」というご相談を実際によくいただきます。今日は、この「混雑状況」がどういう仕組みで表示されているのか、そして表示されない場合に何ができるのかを、できるだけ易しい言葉でまとめます。

よくある誤解その1:「設定をオンにすれば出る」わけではありません

一番多い誤解が、これです。「Googleビジネスプロフィールの管理画面のどこかに、混雑状況を表示するオン・オフのボタンがあるはずだ」という思い込みです。実際にGoogleの公式ヘルプページを確認すると、次のように説明されています。「これらの情報はビジネス情報に手動で追加することはできず、お客様の店舗の訪問データが十分にある場合のみ表示されます」(出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「混雑する時間帯、待ち時間、滞在時間のデータについて」)。

つまり、オーナーがどれだけ管理画面を探しても、オンにするボタンは存在しません。この機能は、お店側の設定ではなく、Google側が自動的に判断して表示するかどうかを決めているのです。

よくある誤解その2:「お金を払えば出る」わけでもありません

次に多いのが、「有料のGoogle広告や、有料のMEO対策サービスを使えば表示されるようになるのでは」という誤解です。これも違います。混雑状況の表示・非表示は、広告費や契約プランとは一切関係がありません。決め手になっているのは、これから説明する「来店客のデータ」だけです。

本当の仕組み:来店した人のスマートフォンが情報源です

では、実際にはどうやってこの情報が作られているのでしょうか。Googleの公式説明によると、混雑する時間帯・待ち時間・滞在時間は、「Google ロケーション履歴を有効にしているユーザーから集計した匿名データをもとに割り出されます」とされています(出典:同・Google ビジネス プロフィール ヘルプ)。

もう少しかみくだくと、こういうことです。Googleマップのアプリを使っている人の中には、自分のスマートフォンの位置情報の履歴(Googleでは「タイムライン」と呼ばれる機能です)を、Googleに記録させる設定にしている人がいます。そういう人が実際にあるお店に立ち寄って、しばらくその場所にとどまると、「この人は、この時間にこのお店にいた」という記録がGoogle側に匿名で集まります。これが十分な人数分たまると、「このお店は、この曜日のこの時間帯によく人が来ている」というグラフとして表示される、という仕組みです。

混雑度そのものは過去数か月にわたる平均のデータをもとに、待ち時間や滞在時間は過去数週間の訪問データのパターンをもとに算出されているとのことです(出典:同・Google ビジネス プロフィール ヘルプ)。ここで大事なポイントは、この「タイムライン」機能は、Googleマップを使っている人全員が使っているわけではないという点です。設定は初期状態ではオフになっており、自分でオンにした人のデータだけが集計対象になります(出典:Google マップ ヘルプ「混雑エリアに関する情報を Google マップから入手する」)。

「平均のグラフ」と「今の混雑状況」は、実は別のデータです

ここでもう一つ、知っておくと理解が深まる点があります。「混雑する時間帯」として表示されるグラフには、実は2種類の情報が重なっています。一つは、曜日ごと・時間帯ごとの「いつもの混雑傾向」を示す折れ線グラフです。これは前述のとおり、過去数か月間のデータの平均から作られています。もう一つは、「今まさにどれくらい混んでいるか」を示すリアルタイムの情報で、これは通常のグラフに重ねてハイライト表示される形で示されます。

この2つは、それぞれ必要なデータの条件が異なります。曜日・時間帯ごとの平均グラフは、数か月分の蓄積があれば表示されますが、「今の混雑状況」というリアルタイム表示は、その瞬間にその場所にいる人のデータがある程度の数そろって初めて成立するため、平均グラフは出ているのに、リアルタイム表示だけは出ない、という状態が起こることもあります。両方が同時に表示されていないからといって、必ずしも同じ一つの原因だとは限らない、という点は覚えておいて損はありません。

そもそも「タイムライン」とは、どんな機能なのか

混雑状況のもとになっている「タイムライン」機能について、もう少し補足します。これはGoogleマップの機能の一つで、自分がいつ・どこにいたかという移動の記録を、自動的に残しておいてくれるものです。「先月の旅行で行った場所を振り返りたい」「あのお店の名前を忘れてしまったけれど、いつ行ったか記録から調べたい」といった、自分自身の思い出を振り返る目的で使っている人もいます。

この機能は初期設定ではオフになっており、使いたい人が自分の意思でオンにする仕組みです。位置情報の記録に抵抗がある方はオフのままにしていることも多く、結果として、街を歩いている人の中でも、タイムラインをオンにしている人とオフにしている人が混在しています。混雑状況のデータは、このうちオンにしている人だけから集められているため、実際の来店客数そのものとは、多少のズレがある推定値だという点も理解しておくとよいでしょう。

プライバシーはどう守られているのか

「自分のお店に来たお客さんの位置情報が、勝手にGoogleに使われているのでは」と心配になる方もいるかもしれません。この点についてGoogleは、「差分プライバシー」と呼ばれる技術を使って、すべてのデータを匿名の形で処理していると説明しています。個人が特定できる形の位置情報が公開されることはなく、住宅地の混雑度についても、意図的に算出の対象から除外されているとのことです(出典:同・Google マップ ヘルプ)。お客様一人ひとりの行動が誰かに見られている、というものではなく、あくまで大人数分のデータをまとめて、統計的な傾向として表示している、という仕組みです。

結局、なぜ「表示されないお店」があるのか

ここまでの仕組みを踏まえると、表示されない理由は、突き詰めると一つに集約されます。「タイムライン機能をオンにしているお客さんの来店データが、十分な量に達していない」ということです。これにはいくつかの背景が考えられます。

  • そもそも来店客数自体が少ない、あるいは開業してからまだ日が浅く、データが蓄積されていない
  • 来店客の年齢層や利用習慣によって、タイムライン機能をオンにしている人の割合が少ない
  • 個人経営や小規模な店舗で、来店客の絶対数がチェーン店などと比べて少ない

いずれの場合も、お店側の設定ミスや、Googleビジネスプロフィールの運用不足が直接の原因ではありません。「投稿をこまめにしていないから」「写真が少ないから」といった、お店側で改善できる要素とは別の話だという点は、まず知っておいていただきたいところです。

GBP診断で見えてきた、実際の傾向

これまで様々な業種のGoogleビジネスプロフィールを診断してきた中でも、混雑状況が表示されているお店と、表示されていないお店は、はっきり分かれています。傾向として、駅前の飲食店やチェーン展開している店舗では表示されていることが多く、住宅街にある個人経営の店舗や、対応エリア制で店舗を持たない業種(清掃業や便利屋、遺品整理業など)では、表示されていないケースが目立ちます。これは前述の仕組みどおり、単純に「その場に一定時間とどまる来店客の絶対数」の違いによるものだと考えられます。

特に対応エリア制のサービス業の場合は、少し事情が異なります。お客様が「お店」という決まった場所に来店するのではなく、スタッフの方がお客様のご自宅などへ訪問する業態のため、そもそも「特定の場所に人が集まる」という状況が生まれにくく、混雑状況という機能自体が、業種としてあまり噛み合っていないとも言えます。この場合は、混雑状況の表示を目指すこと自体にあまり意味がなく、後述する口コミや写真といった別の要素に力を入れる方が、はるかに現実的です。

一方、同じ来店型の店舗でも、開業して間もないお店や、リピーターが中心で新規のお客様が少ないお店では、来店の絶対数自体は少なくなくても、まだデータとして十分な蓄積がなく、表示されていないケースもあります。こうした場合は、営業を続けるうちに自然と表示されるようになる可能性があるため、前述のとおり気長に待つのが基本的な向き合い方になります。

では、何か対策はあるのか

正直にお伝えすると、「混雑状況を表示させるために、これをすれば確実」という直接的な対策は存在しません。オーナー側から操作できる項目ではないためです。ただし、間接的にできることはあります。

気長に待つ、という選択肢

開業してから日が浅いお店の場合、時間の経過とともに来店データが蓄積され、ある時点から自然に表示されるようになるケースもあります。焦って何か特別な対策をとるよりも、通常の営業を続けながら気長に待つ、というのが実は一番現実的な向き合い方です。

ここで注意していただきたいのは、「表示されるように何か特別な工夫をしなければ」と力を入れすぎないことです。この機能は、あくまでお客様の自然な来店行動の結果として表示されるものであり、お店側が意図的に働きかけて出す・出さないをコントロールできる性質のものではありません。だからこそ、表示の有無を追いかけるよりも、日々の営業や接客そのものに力を注ぐ方が、結果的には近道になります。

混雑状況よりも優先すべきことがあります

ここでお伝えしたいのは、混雑状況が表示されていないからといって、Googleマップでの集客に不利になるとは限らない、ということです。Google自身が公式に説明している検索結果の順位を決める要素は、「関連性」「距離」「知名度」の3つであり、混雑状況の有無はこの中に含まれていません(出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ローカル検索結果のランキングについて」)。つまり、混雑状況が出ていないことと、検索順位が低いことは、直接は関係がないのです。

むしろ、お客様が来店するかどうかの決め手になりやすいのは、口コミの件数・内容や、店舗の写真、最新の投稿といった、オーナー側で直接手を加えられる部分です。混雑状況が表示されない状態を気にするよりも、こうした「自分でコントロールできる部分」に力を注ぐ方が、実際の集客への影響は大きいと考えられます。口コミの増やし方については別の記事で、投稿のネタ切れ対策についてはこちらの記事で詳しくまとめています。

よくある質問

Q. 混雑状況の表示・非表示は、検索順位に影響しますか?

Google公式の説明では、検索順位に直接影響する要素として挙げられているのは「関連性」「距離」「知名度」の3つです。混雑状況の表示有無は、この中には含まれていません。ただし、間接的に、混雑状況が表示されるほど活発な集客ができているお店ほど、口コミ件数など他の指標も伸びやすい、という相関はあり得ます。

Q. 一度表示されていたのに、消えてしまいました。なぜですか?

混雑度は過去数か月間のデータをもとに継続的に更新されている仕組みのため、来店データの傾向が変化したり、一定期間データが集まらなかったりすると、表示が変動することがあります。何か特別な設定変更をしたわけではなくても、こうした変動が起きること自体は自然な仕組みの一部です。

Q. Googleマップで人気の時間帯を業者に「表示させてもらう」ようなサービスはありますか?

このデータは実際の来店者の位置情報をもとにGoogleが自動集計しているものであり、外部の業者が人為的に操作したり、代行して表示させたりすることはできません。もし「必ず表示させます」とうたうサービスがあれば、その説明は不正確です。

Q. 競合店には表示されているのに、自分の店には表示されません。何か違いがあるのでしょうか?

お店の規模や立地、業種による来店客数の違いが大きな要因ですが、それ以外にも、同じ立地・同じ規模であっても、たまたまタイムライン機能をオンにしているお客様の割合が偶然多い・少ないという運の要素も関係している可能性があります。競合店との差を、運営努力の差だと直接結びつけて捉える必要はありません。

まとめ:仕組みを知れば、必要以上に気にしなくてよくなります

Googleマップの混雑状況は、来店したお客様のスマートフォンの位置情報(タイムライン機能)が匿名で集計されて作られている仕組みです。オーナー側で手動でオンにするボタンはなく、有料プランとも関係がありません。表示されていないからといって、お店の運用に問題があるわけでも、検索順位が下がるわけでもありません。

Googleビジネスプロフィールを見ていると、「表示される・されない」がはっきり分かれる機能が他にもいくつかあります。混雑状況はその代表例ですが、いずれも共通しているのは、オーナー側の頑張りだけでは動かせない部分がある、ということです。だからこそ、動かせない部分に一喜一憂するより、口コミへの返信や写真の更新など、自分の手で確実に積み上げられる部分に目を向けることが、結果的に一番の近道になります。

もし「うちのGoogleマップは大丈夫だろうか」と気になる場合は、混雑状況よりも、口コミ・写真・投稿といった、実際に手を加えられる部分から確認してみることをおすすめします。これらは混雑状況とは違い、オーナー自身の手で今日からでも動かせる項目です。まずは自分のお店の状態を、実際に検索して見てみることから始めてみてください。

(本記事は検索順位や表示を保証するものではありません。順位を保証する業者にはご注意ください。)

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この記事を書いた人

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